B2B、電子調達、調達購買改革の専門家。また調達・購買分野の日本国内での地位向上、バイヤーの育成支援等に数多くの活動を行う野町さん。昨今、「調達」「サプライチェーン」の重要性が非常に高まるなか、今企業に求められていることに関してお話しを伺いました。(聞き手:猪口真)
猪口 たしかに「調達購買コンサルタント」という響きは新しいですね。
野町 徐々に広がりつつあると感じます。また従来は、サプライチェーンと調達はまったく違う領域でした。サプライチェーンは今まで「サプライ」よりも、どちらかというと「デマンド」に目を向けており、製品の出荷、在庫、物流の最適化が中心でした。ところが、去年を境にして仕事のほとんどがサプライチェーン絡みの仕事になり、一緒にやらざるを得ない状況になってきました。サプライチェーン側からすると、ものが入ってこないと製品が作れず、製品が作れないと売り上げにつながりません。そのため、「サプライをいかに確保するか」というところに目を向けざるを得なくなっています。一方で、今まで調達部門はこのようなモノが不足している状況で、マネジメントからは「何とかしろ!」と言われ続けてきて、調達部門がどうにか対応してきたわけです。しかし、今は何とかできなくなってきています。全社として、特に経営トップが、「サプライチェーンをどうやって確保していくのか」「リスクマネジメントをどう進めるのか」「原材料の調達価格が上がるのはいいが、それをいかに製品に転化していくか」といったことを考えなければならない状況になってきているのです。
猪口 なるほど。そういう意味ではリスクマネジメントですね。たしかに、コロナに加えてウクライナの問題があって、本当に入らなくなった。東日本大震災のときはあくまで日本の中の話で、「じゃあ海外から取ればいい」というところもあったのでしょうけど、今回は全世界的ですよね。
野町 今はやや落ち着いてきたと言われていますが、一昨年の暮頃、ある日用品メーカーの調達部長が、「モノが買えない時代になってきている」と言っていました。高すぎる、運べない、売る気がない。と。一番の問題は売る気がないことです。先ほど言ったように、川上のサプライヤーが力を持ちつつあり、サプライヤーが売る先を選別するような時代に入ってきているということです。
猪口 売る気がないというより、売る先の戦略をきちんと持っているということですね。
野町 おっしゃるとおりです。
猪口 コンサルタントと言えば、IT、マーケティング、経営戦略が変わらず人気ですが。この数年間で、「企業がものを作る」というサプライチェーンの重要性が非常に高まってきています。若い方々ももっとそこに目を向けたほうがいいですね。
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