事業計画における資金調達のサブセクション。
・ 節税効果(≒支払利息を損金処理できる)を考慮すると、
エクイティ投資を受けるより借金したほうが
企業全体の資本コスト(≒WACC)は安いこともある
などの金利感覚は持っておく必要があります。
上級者の使うテクニック
■ 資金調達先の論理をよく理解している
例えば、日系のベンチャーキャピタルが投資する最低条件は3つ:
1. 売上の伸びがこのペースで伸びるとIPOレベルに届くと
投資委員会で合理的に説明できること
例えば、
「最近6四半期の売上高のグラフを直線で伸ばすとIPOレベルに売上高がとどく」 というようなロジック。
直線(≒売上高の伸び率が一定)であることが大切です。
曲線(≒売上高の伸び率が伸び続けている)はロジックに無理があるのでNG
2. 計画している事業規模がIPOレベルを超えていること
実際には各市場の上場基準を満たし、経常2億でも上場する企業はあります。
しかし、計画段階では経常5億以上(≒証券会社が引受を承諾したくなるレベル) を目標に。
しかも、計画は下振れするので、
実際にはそれ以上の高いハードルを計画しておかねば
投資委員会のテーブルにも載らないかもしれません。
3. ファンドの期限以内でIPOを目指していること
ファンドの運用期限は通常は5年。延長しても7年。
計画は遅れるので2年サバを読んで3~5年でIPOをすると言い切るべきです。
これらの他に、VCの行動原理として重要な事項は
・ VCの既存投資先企業とのシナジーが高い企業は
投資ポートフォリオに入れやすい
・ 誰に紹介された案件かが投資判断に少なからず影響する
・ 株価算定に絶対的な正解はない
などを経験のある経営者はよく理解していて、
・ VCの既存投資先の企業をよく調査しておく
・ 業界に詳しいVCの担当者がコンタクトしてくるように
プレスリリースを工夫する
・ VCとのコネクションのあるコンサルタントなどに紹介を依頼する
・ Valuationの交渉の時に、たとえ経営者本人に金融知識がなくても、ひるまない
■ 「資金繰に失敗」と「ビジネスモデル構築に失敗」の違い
入出金サイトのバランスが悪くて黒字倒産する企業は確かにありますが、資金繰だけに失敗して倒産する企業は実際には少ないのが現実です。ビジネスモデル≒儲けの仕組さえしっかりしていれば、なんだかんだ不思議と資金調達には成功します。
キャッシュ切れで倒産するベンチャー企業の多くは
「資金繰りに失敗した」のではなく、
・ 回収する仕組が弱い
・ 良質な顧客層を集客する仕組が弱い
・ 小さくプロトタイプを産むのが下手
などの「儲かる仕組の構築に失敗」した企業です。
ベンチャーを経営していると「来月末の資金繰りがヤバイ!」という状況は
一度や二度は必ず経験します。
しかし、そんな時でも経験のある経営者は
資金繰りに奔走してムダな時間を使うよりも、
儲けの仕組の構築に奔走します。
(再掲載)
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