2016年以降、東芝に売られた事業は、医療機器事業、白物家電事業、スマートメーター事業、メモリ事業、パソコン事業、テレビ事業と目白押しだ。そしていずれも見事に独り立ちして成長しているのだ。その意味を考えてみたい。
逆に言うと、東芝社内に抱え込まれていた間は、「事業の特性や勘所を理解できない」親会社のトップ経営陣の「口は出すけど金は出さない」態度のせいで成長の芽を摘み取られていたのが、東芝の「くびき」を逃れたことで大きく飛躍できるようになったことが分かる。
こうしたことが背景にあるため、小生は先頃大株主の反対で引っ込めてしまった東芝自身の分割案に対し「本質的には弥縫策だが、結果オーライになる可能性がある」と考えていたのだ(記事『東芝の会社分割は本当に企業再生につながるのか?』)。つまり、あまりに巨大なコングロマリットを経営する能力がない人たちに経営判断させる状態よりは、分割して事業単位に近い大きさにした上で経営判断させるようになったほうが間違いは減るはずだ、と。
こうした「金の卵がみすみす孵化の機会を失ってしまう」状況は東芝に限らないと小生には思える。事業側は本当に自信があるなら、外部に売却してもらうよう自ら親会社の経営トップに直訴してもよいのではないか。
一方、東芝のように苦し紛れになって事業を切り売りする羽目になった経営トップは気をつけたほうがいい。売り飛ばした事業が黒字化しぐんぐん成長するのを目の当たりにする場合、それはあなた方に対し「無能経営者」の烙印が突き付けられていることを意味するからだ。
経営・事業戦略
2020.07.15
2020.09.23
2021.04.20
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2023.04.12
2023.07.19
2024.02.21
2024.08.21
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
