/この百年の、労働者としても、消費者としても、そして、経営者としても、だれにでも開かれていた大衆大量生産消費市場社会の方が文明論として異常だった。今後は、たがいに特定の相手としか関わらないエクスクルーシブなビジネスへ回帰するのが当然だ。/
逆に言えば、これらの古くさい成長期負債産業に関わりたくない、今後はもう縁を切りたい事業者ニーズが大きく存在している。そして、それは消費者側でも同じ。多くの人や業者が関われば関わるほど、サービス向上どころか、もはやいっちょかみで他人事に口を挟むことにしか自分の居場所の無い、小うるさい中間搾取の余剰連中との人間的、組織的な調整コストが爆発的に大きくなって、やたらめんどうくさい。仕事がはかどらない。だから、できるだけ人と関わらないワンストップの直接発注は、コストダウンであるだけでなく、精神的、時間的な負担も軽減される。
もはや規模効果は期待できない。それどころか、拡大は、質の低下、リスクの増大にしかならない。そもそもこの百年の、労働者としても、消費者としても、そして、経営者としても、だれにでも開かれていた大衆大量生産消費市場社会の方が文明論として異常だったのだ。今後は、たがいに特定の相手としか関わらないエクスクルーシブなビジネスへ回帰するのが当然だろう。この意味で、もはや規模よりも信用と実績と先見性=低リスク体質こそが、衰退期の事業戦略の要となる。
経営
2021.02.03
2021.02.13
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2022.11.13
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。