ビジネスマンとして生産性を上げ、成果を出し続けるためのセオリーとして、「自分にコントールできない(変えることができない)ことに思い煩うことなく、できることに集中しよう」という教えは、定番中の定番のとして有名なものだろう。 そうすべきなのだろうか?
ビジネスマンとして生産性を上げ、成果を出し続けるためのセオリーとして、「自分にコントールできない(変えることができない)ことに思い煩うことなく、できることに集中しよう」という教えは、定番中の定番のとして有名なものだろう。
自分にはどうすることもできないことばかりを気にしたり、無駄な抵抗をしたり、本来自分がやるべきことを放置してしまうのではなく、自分ができることに注力しようという意味合いなのだが、ビジネスにおいて自分にふりかかる仕事には、コントールできないことが実に多い。代表的なこととして、人事異動のこと、顧客や上司の都合、仕事の依頼先のトラブル、部下やチームメンバーの病気やトラブルなどなど、仕事自体がコントールできないのではないかというほど、コントールできないことだらけだ。
そこで、感情をコントロールするためや、生産性を上げるためのポイントとして挙げられるのが、「変えることができない(コントロールできない)ことは受け入れ、変えることができる(コントロールできる)ことだけを変える行動をする」という教えだ。
実際に、組織上層部の動きや、ほかの人たちの動向やうわさなどばかりに意識がいってしまい、仕事が手につかなくなったり、イライラしたり、さらには生産性を低下させてしまってしまうことも多く、「自分でどうにもならないことばかりに時間をつかうな!」ということだ。
それはその通りで、そんなことばかりに時間を費やしてしまっては、いい仕事ができるはずもないし、現実にこんな人はホントに多い。
「コントロール外」への取り組みはチャレンジか?
しかし、この「コントロールできることに集中しよう」という教えは、曲解している人も多いのではないか。
「自分のコントロールできることだけやる」→「できないと思ったら(できないと決めているから)拒絶する」→「できることだけやる」→「できることが広がらない、むしろ狭まる」という思考~行動プロセスに陥っていると見受けられる人があまりに多い。
いまコロナ禍もあり、これだけの変化のなかにいながら、自分自身に降ってくる仕事は、むしろ「コントロールできないこと」のほうが圧倒的に多い。「こういう制限があるけどできるか?」「これまでのことはできないけど、同様の結果を得るにはどうすればいいか」など、コントロールできるかどうかなどまったくわからない、経験したこともないような仕事の依頼ばかりだ。せっかくのチャンスなのに、自分で自分の可能性を狭めてしまうのは、あまりにもったいなく、自分がコントロールできることにこだわっていたのでは、何もできなくなってしまう。
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