顧客訪問を増やすと本当に売上は上がるのか?

2008.03.19

経営・マネジメント

顧客訪問を増やすと本当に売上は上がるのか?

葛西 伸一
株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

~管理職の超簡単統計学~ 「営業は科学である」こんな言葉をどこかで聞いたことがある。従来の気合と根性”だけ”の営業から脱却し、 「科学+気合+根性」の営業を考察してみたい。

たとえば、3,3,3の平均は、3だ。
しかし、1,3,5の平均も3だ。
したがって、「平均は3です!」と言われたとき、あなたはどの程度バラツキがあるかわかるだろうか?
これを標準偏差を使ってあらわすと、「3,3,3=平均3 標準偏差 0」
「1,3,5=平均3 標準偏差 2」となるのだ。つまり、中央から上下に2つばらつている状態だ。
このように、平均と標準偏差を旨くつかうとビジネスにも役立つのだ。

さきほどの営業の例でいおう。
たとえば、2人の営業マンAさんとBさんがいる。
AさんもBさんも、1日あたり平均3件の顧客を回っているのに、
新規案件の獲得数が、Bさんのほうが高い。さて、みなさんが管理職だったどう考えるだろうか?
Bさんのほうが提案力が高い!顧客から好かれる!トークがうまい!顧客の質がいい!などだろうか。しかし標準偏差を調べてみたら、
Aさんは0。 Bさんは2だった。つまり、Aさんは、平均して毎日3件をまわっているが、
Bさんは、まわる日に一気に3件~5件を回って、まわらない日は全く回らないなどのメリハリをつけていることがわかった。
ひょっとしたら、そこにAさんとBさんの差がある原因があるかもしれない。

このように、私のような文系一筋の人間は(すべての方がそうではないだろうが)、この標準偏差という値は世界観を変えてくれるのだ。

ぜひ、標準偏差を学んでみてほしい、どんな業務にも使えるのだ。

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葛西 伸一

株式会社メンター・クラフト 代表取締役社長

http://www.mentor-craft.co.jp/ http://www.mba-noryoku.com/ 大学卒業後、大手エレクトロニクス商社に勤務。その後、IT業界、映像コンテンツ業界と15年間の営業・企画・マネージャー等の経験を経て、 2007年4月に(株)メンター・クラフト設立。 豪州ボンド大学大学院 MBA(経営学修士) エグゼクティブ・コーチ(JIPCC認定) 日本コーチ協会正会員

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