企画書や事業計画書を作成するにあたって、経営学者が熟慮を重ねたさまざまなフレームワークを使いこなすことは非常に有効ですが、ときとして私たちは自らフレームワークを捻り出す必要に迫られます。 しかし、ゼロベースからのフレームワーク開発は誰にでもすぐにできることではありません。 そこで今回は、そんなシーンに有効な準用思考をご紹介します。
そんなフレームワークは知らない?
それもそのはず。今回は私が勝手につけた名前のフレームワークです(ごめんなさい)。
しかし、フレームワークの引き出しはやはり多いに越したことはありません。
まずは経営戦略の3アプローチですが、これは既存の考え方を独自に整理したものです。
今回は詳細を割愛させていただきますが、
戦略目的を「変化する市場の中で、いかに自社を存続させ、発展させるか」とした場合、どのようなアプローチで戦略が考えられるか、ということをまとめたものです。
①は、いわゆるブルーオーシャン戦略が代表で、競合うごめく血なまぐさい戦場(レッドオーシャン)ではなく、そもそも戦わなくて済むような市場を見つける、というものです。
しかし、魅力的な市場には、いずれ競合がやってきます。また、そんなに都合よく青い海を見つけられるとは限りません。
②は、いわゆるポジショニング戦略が代表で、競合と自社との違いに注目する、というものです。
しかし、競合は星の数ほどいるので、明確な違いは出しづらいため、実現可能性は低く、いずれ過当競争に巻き込まれるリスクがあります。
※実は②しか考えていない企画者が多くいると思うのは私だけでしょうか?
③は、いわゆるリソースベースト戦略が代表で、自社の資源・強み・できることに注目する、というものです。
できることをやる、というスタンスですから実現可能性は高いのですが、それが戦略目的に対して有効な手段かというと、注意が必要です。みんな、やれるだけやったけど会社は潰れた、では目的にフィットしていませんからね。
さて、ここでどれか1つを選びたくなる気持ちをぐっと抑えて、もう1つのフレームワークを適用してみます。
これが実現可能性を高める「そこそこ戦術」です。
ごめんなさい、かつて書籍で読んだのですが、正式名称(あるのか?)を失念してしまいました。
ご覧になっていただければ分かると思いますが、複数ある手段のうち、どれか1つを選ぶよりも、どれも「そこそこ」やった方が効果が高くなることがあります。
さて、先の課題を解決するにあたり、まず「経営戦略の3アプローチ」から以下の3つのアプローチが考えられます。
・その社員ならではの他者とは比較できない価値を見つけ、その能力を伸ばす。
・その社員が他者と比較して、組織的に足りない/必要とされている能力を伸ばす。
・その社員が他者と比較して、そもそも持っている強みとしての能力を伸ばす。
次のページ○おわりに
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2008.05.09
2008.05.28
株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役
社内教育担当者・教育事業者・学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。 特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。 開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。