企画書や事業計画書を作成するにあたって、経営学者が熟慮を重ねたさまざまなフレームワークを使いこなすことは非常に有効ですが、ときとして私たちは自らフレームワークを捻り出す必要に迫られます。 しかし、ゼロベースからのフレームワーク開発は誰にでもすぐにできることではありません。 そこで今回は、そんなシーンに有効な準用思考をご紹介します。
1.適用フレームワーク(目的とアプローチ)
アイディアとは既存の知識の組み合わせであるケースが多くあります。
そこで、準用思考でも単一のフレームワークを適用するのではなく、複数のフレームワークを組み合わせることを想定しています。
もちろん、経営やマーケティングに関わらず、幅広い分野でのフレームワークを知っていると、準用思考は非常に有効です。
準用思考がどうもうまくできない、という人は、現時点では引き出しが少ないことがその理由として考えられます。しかし、一度意識すると、原発での危機管理方法ですら、自身のビジネスに活かせるフレームワークに見えてくるものです。
2.適用対象課題
当たり前ですが、検討対象の課題(目的)は必要です。
準用思考以前の話ですが、課題と問題は分けて考えなければなりません。
どの組織にも、問題は山ほどあります。
本当に解決すべき問題、つまり課題は何なのか、達成すべき目的・目標は何なのかは明らかにする必要があります。
3.共通点と相違点
1つの対象を理解するには、他のものとの共通点や相違点を検討することが有効です。
前述の戦争と経営のように、共通点と相違点を把握することで、より適切な準用を行うことができます。
共通点と相違点を把握する際には、そのフレームワークの目的、背景、登場するステークホルダーという観点でチェックすることが有効です。
4.より適切な適用のための修正箇所
適用フレームワークと適用対象課題の共通点と相違点をふまえ、要修正箇所を検討します。
ただし、繰り返しますが完全さよりも、不完全な部分を異なるフレームワークを適用するか、不完全であると認識して注視していく、という対応が有効であるように思えます。
※フレームワークづくりは、手段であって目的ではありません。
○準用思考の具体例
それでは、準用思考の具体例を考えてみましょう。
課題は以下の通りとしましょうか。
効果的かつ実現可能な社員の能力開発とはどのようなものか
読者のみなさんが、育成担当者であったら、どんな切り口で考えますか?
よろしければ、ちょっと考えてみてください。
↓
↓
↓
考えていただけましたか?
↓
↓
↓
↓
さて、以下は、あくまで私の準用思考の例です。
解答ではありません。
※唯一の解答なんてありません。
課題:効果的かつ実現可能な社員の能力開発とはどのようなものか
さて、適用するフレームワークは「経営戦略の3アプローチ」と「そこそこ戦術」としましょうか。
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2008.05.09
2008.05.28
株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役
社内教育担当者・教育事業者・学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。 特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。 開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。