2001年には、400万者数を超えていた小規模事業者が、約300万者となっている。今回のコロナショックは、リーマンショックをはるかに超えると言われてもおり、信じられないほどの企業数の減少となる可能性が高い。
小規模事業者として起業した人たちは、大きな組織に隷属しない生き方・働き方を選択した人たちが立ち上がった結果ではあるものの、コロナショックで、自分自身の働き方、ひいては生き方までを見つめなおす機会になった人は多いだろう。今日のような危機的状況に陥ると、やはり最初にしわ寄せがいくのは、例外なく弱者だ。
体力のある企業に属していれば、多少の賞与などの減少はあったとしても、大半の企業では身は保証される。
バブルのころは、小規模事業者の「社長さん」はうらやましがられたものだ。組織に縛られず、仕事も選べて、しかも高収入を得ていて、誰もが憧れた存在だった。
その状況が一変しようとしている。
まともな就職活動ができない就活生の意識にも変化が出ているという。昨今、大企業志向が強くなったと言われていたが、その傾向はさらに高まっているという。
こうしたことが起こると、この先、あえて大きな組織に隷属しない働き方・生き方を選択する人は出てくるのだろうか。
現時点では、在宅勤務を続けながら、なんとか踏ん張っているナレッジワーカーにしても、厳しい状況は続く。小規模事業者の強みは、臨機応変に立ち回れる身軽さと、フットワークの軽さ、スピードといったところだが、実は、現状、大半のナレッジワーカーがリモートワークを行っている状況では、意外にそのスピード感が発揮されにくいと感じる人は多いだろう。
身軽に臨機応変に、現場に近いところで仕事ができることを武器に、的確に現場のニーズをつかみ、仕事にしてきた人は多い。それが、現場に行くことがままならないのだ。
むしろ、大企業においては仕事ができる人とできない人が明確になり、「無駄な会議が減り、やるべきことに集中できる」「リモートワークでは難しいと思ったが意外に仕事できる」といった前向きな発言をする人も多い。リモートワークによって、大企業に多かった無駄な仕事が削減されているという側面もあるのだろう。
何もなかったかのような日常が戻るのは、間違いなく、相当先だろう。小規模事業者にとって厳しい道のりは続く。しかし、小規模事業者の個性によって、街や社会は成り立っているのも間違いないことだ。
この先を憂いてばかりでは何も始まらない。改めて自分の強みはどのように生かすべきなのか。どう変化させなければならないのか。大手企業が中心となっている枠組みのなかで、自分のポジションをどうつくっていくのか、改めて考え、すぐに判断しなければならない局面にきている。
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2009.02.10