営業日報の提出、顧客の情報を集めて入力そして、商品の販売、営業マンに業務負荷をかけておきながら、こんなに情報が集まっている!と自己満足する営業企画部門や、マーケティング部門。それは本当に正しいのでしょうか?
一応、事業会社時代は、マーケティングと名前が付く部門をマネジメントしていました。その中で、ナレッジポータルの運営も業務分掌に入っていて、企画、運営もやっていました・・・。
営業部門の本部機能とは別の立ち位置だったので、当然、その本部の幹部の方々と相談しながらナレッジポータルを運営していたのですが、「管理のための管理」というか、「やっている感」を出すために、ナレッジマネジメントというのは使われているような気がしましたね・・・。
日報を毎日書かせていました。毎日日報を書かせてもいいのですが、400人の営業マンがいましたので、その「日報の群れ」がナレッジを生み出しているんですか?
生データをひたすら入れさせる「顧客情報カード」なる仕組みがありましたが、ノルマをつけすぎて大量な無意味な情報、生データの海を作っていましたが、そこから何らかの知見を生み出そうとしているんですか?
・・・などのことをすごく思いました。
負荷を少しでも下げたいと思って、提案書の作り方や、提案書フォーマット、パーツのシェアなどのコンテンツも作っていましたが、そういうものは、管理が好きな方は反対したりしていましたね。そんなのは営業マンが自分でやるんだ!とかそんな感じでしたでしょうか・・・。
それはさておき・・・
以前に、生データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムというお話しを書きました。
営業マンに情報をひたすら入力させてそのままだったら、生データの状態ですね。
一応、検索機能やカテゴリ機能をつけたりしていたので、一応のインフォメーション化はされていました。
で、それをシェアできればいいや、だと、費用対効果的には低いですね・・・。営業マンの業務負荷を上げて、メンタルヘルスを悪化させて、離職率を上げてしまうだけです。
入力ツールに関して、最近携帯での入力が流行です。たいていは、それは業務負荷低下のためということですよね。
業務負荷を下げるのはいいことですが、本質的には、データをどう活用するんですか?というところにもっと関心を持って欲しいですね。もしくは、何のためにデータを集めているの?というところを明確にして欲しい。
では、管理のための管理、「やっている感」をだすためのナレッジマネジメントから抜け出すにはどうすればいいのか?
やっぱり、ナレッジ生産のための専管チームが必要では?というのが私なりの結論です。営業日報やら、顧客情報カードやら、そういうものから、顧客、営業マンの現状を把握しつつ、なにかしら変化の傾向があったら、詳しく調べて、ヘッドクオーターやナレッジポータルにレポーティングするような、そういう専管チームがいればいいかな、とは思いました。
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ナレッジマネジメント
2008.03.12
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。