総合スーパーのアピタ岐阜店ドンキホーテUNYに転換する計画について、地元住民らが現アピタの営業時間をドンキ風の長時間営業に延ばさないよう求めているとのニュースがありました。自由競争下で民間企業がニーズに合わせて出店することの何が悪いのでしょうか。コスト負担を回避する点ではないかと考えます。
1.誰も教えてくれないドンキ進撃の秘密
ビジネス誌・サイト中心にドンキ礼賛記事はあふれかえっています。これだけの業績とポジションを確保した企業を否定することはもちろんできないし、ドンキが成功していることは間違いありません。しかしドンキ礼賛記事は未だに、何十年も前の圧縮陳列やらエキサイティングな売り場造りのような、しょーもないチョーチンばかり。
私はドンキ成功の秘密がわからないので、いろいろな記事で勉強しているのですが、納得がいく説明だったのは唯一、BCN+RニュースのドンキホーテHD・大原社長兼CEOのインタビューです。
出店失敗だと即時判断した場合も、自社物件なのでただちに不動産事業に転換すれば損しないという説明には納得しました。ワクワク感とかではなく、失敗リスクへのもっとも説得力ある説明で、小売業では必ず避けることができない出店ミスへの大きなヘッジがあること。それがあれば、成功出店だけを続けることができることなど、非常にわかりやすいと感じました。
これだけが成功の秘訣なのかはわかりませんが、PRをそのまま秘訣と言われても全く納得できない中、成功の一つだと感じ入った次第です。
2.ドンキが嫌われる訳
バラエティ番組や街頭インタビューなどで「ドンキ大好き!」といっている人たちは結構共通点があるイメージです。
「若くて、パリピっぽい人が多い」「ファミリーでもアルファード/ベルファイア乗ってそう」「日頃価格情勢など知らなそう」※あくまで勝手なイメージです。
18時ぐらいに行ってみても、イオンや西友と明らかに客層は違うようです。もちろん勝手イメージに合わない人も当然いますが、やはり一般主婦が圧倒的に多い総合スーパーより年齢が若く、男性比率も高いと思います。都市型でも大型のドンキホーテ新宿店でも、仙台晩翠通り店でもほぼ近い客層だと思います。
この客層が嫌われる原因なのだろうと感じます。
店そのものは長時間営業で、低価格で、近所にあって困る存在ではないはず。しかし実はスーパーの特売よりは安くなく、通常価格も特に安くはないが定価よりは安い程度のプライシングでも「ドンキ激安!」とスーパーチラシなど読むことがなかろうパリピさんたちは言っているのでしょう。
ドンキが嫌なのではなく、ドンキに集まる客層が、地元の人が嫌がる原因だといえます。夜中に騒いだり、たむろしたり、排気音の大きい車やゴミなど、来店客がもたらす害は一般スーパーでは考えられません。
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2009.11.12
2010.03.20
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。