言わずと知れた世界の雄「トヨタ」。そして、日本を代表する総合家電メーカー「パナソニック」。 いずれも超巨大企業である点は共通しているものの、業種としては異なるように見える両者。しかし、住宅事業という「第三の業種」で手を取り合い、共同で新たな事業を展開しようとしていることをご存じだろうか。 新規共同事業で両者が掲げるキーワードは、未来を見据えた「スマートシティ」だ。さて、両者の思惑はいったいどこにあるのだろうか?
3/街づくり事業
新会社が目指すスマートシティ建設のため、ライフライン、通信、保管、モビリティ、セキュリティ、保険、買い物、物流、家事といった生活にまつわるインフラに関して、最先端技術で高度に最適化され、いつまでも安心、快適、便利なくらしをもたらすサービスの提供を目指す。
このように、トヨタとパナソニックの2社がつながる新会プライム・ライフ・テクノロジーズの基本戦略は「住宅事業」「建設事業」「街づくり事業」の3つに集約されるが、いずれも、私たちのくらしや日常が一変するさまざまな可能性と要素に満ちていることがわかる。
常識的な街づくりや生活習慣を一変させる可能性
プライム・ライフ・テクノロジーズの社長に就任することになったパナソニック専務執行役員の北野亮氏は、「トヨタとパナソニックのテクノロジーを最大限生かすことで、街全体でのくらしの新たな価値を創出していきます。また、街づくりを中心とした新会社でのチャレンジを、両者の新たなビジネスの実証の場、あるいはショーケースとすることで、双方向への役立ちを目指します」と語っている。
さらに、「これまで住宅地に不向きと思われていた地域も、自動運転を中心とした新たなモビリティ社会へ変化することが確実な中で、利便性と快適性を両立させた先進的な街へと生まれ変わることが可能です。また、リアルな建物や都市環境のみならず、そこでのくらしを支えるさまざまなサービスまで展開することで、さらなる永続的な満足を提供していけるものと考えています」とコメント。
国や自治体がいくら策を講じても、東京一極集中は止まらず、超過密化はいっこうに収まらない。
その反面、地方は山間部だけでなく都市部でも人口は減る一方で、街並みは崩壊しつつある。従来の街づくりのシステムは、すでに時代遅れになっているといっていい。
そうした意味において、トヨタとパナソニックがリードしようとしている思い切ったスマートシティのイメージは、これまでの常識的な街づくりや生活習慣を一変させる可能性を秘めている。これからの人々が暮らしやすい家、街が新たに再生されるなら、こんなにうれしいことはない。
≪記事作成ライター:小松一彦≫
東京在住。長年出版社で雑誌、書籍の編集・原稿執筆を手掛け、現在はフリーとして、さまざまなジャンルの出版プロでユースを手掛けている。
【記事元】
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