米中の貿易摩擦が一向に解決の方向に向かわないなか、米国、欧州そしてオセアニア地域などの景気後退が観測されています。 米国のFRB(米連邦準備理事会)は次回FOMC(米連邦公開市場委員会)で利下げ予想を暗に発表、欧州ではECB(欧州中央銀行)が利上げ時期の先延ばしを発表、オーストラリアではRBA(豪準備銀行)が今月利下げを発表、そしてニュージーランドではRBNZ(NZ準備銀行)が先月利下げに踏み切っています。
まとめ
これまでの解説を総合すると、中国の内需は冷え込む兆候を抱えています。そして中国政府は財政金融共にリスクを内包するものの、積極的に景気浮揚策を図っているようです。
それは人民元操作にも及んでいる可能性があり、情報が全て公開されない中国の統計では一部操作して公開されている経済指標もあるようです。それでも、やはり景気後退の可能性は強いのではと思います。
西側世界の経済も景気後退局面にあるようで、グローバル経済が冷え込む状況が当面続く可能性があると思います。
債券・金利が世界的に低下し、株式市場でも上海総合指数も大きく上昇しておらず、米国株式市場のみ何とか上昇傾向にあるようです。
今年はやはりキャピタルゲイン投資、つまり株式では稼げない相場観がまだまだ続くように思います。
«記事作成ライター:水谷文雄»
国際金融市場に精通するInvestment Banker。
スイス銀行(現UBS銀行)にて20年余に亘り外国為替および金利・債券市場部門で活躍、外銀を知り尽くす国際金融のプロフェショナル。新興の外国銀行(中国信託商業銀行 )の東京支店開設準備に参画しディーリング・ルームの開設を手掛ける。プライベートではスペインとの関わりを深く持つ文化人でもあり、スペインと日本との文化・経済交流を夢見るロマンティスト。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
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