前回の記事「大手企業も活用!? クラウドファンディング市場が急拡大中!〈1〉」(https://www.insightnow.jp/article/10489) では、クラウドファンディングの仕組みと市場の様子について解説をした。 現在、クラウドファンディング市場は大きく拡大しているところだが、その認知度はまだまだこれからというところ。一般消費者がクラウドファンディングに興味を持ったとき、何に気をつけて始めればいいのだろうか。 今回はクラウドファンディングのメリットやデメリットを説明するとともに、これまでにあったクラウドファンディングの実例を紹介していく。実際にクラウドファンディングを始めるときの参考になるだろう。
クラウドファンディングのメリットとデメリット
アイデアさえ多くの人に受け入れられれば、銀行に頼らなくても大きな資金を手に入れられる。
これがクラウドファンディングの最大の魅力だ。
そのメリットから、最近は個人はもちろん、企業、あるいは地方自治体やNPO法人などの団体が、資金を集める方法として利用するケースが増えているが、インターネット上で不特定多数から資金を集めるというシステムの性格上、さまざまなメリットとデメリットがある。
ここでは起案者と支援者別に、クラウドファンディングのメリットとデメリットを紹介しよう。
●起案者のメリット
①実現が難しかったプロジェクトを実現できる
資金不足で実現が妨げられていたプロジェクトを実現させることができる。
②銀行頼みの融資を受けなくてもいい
銀行や信用金庫で煩わしい手続きを踏まなくても、まとまった資金を調達できる。
③実現前から宣伝効果が得られる
プロジェクト実施前から広く計画を告知できるので、一定の宣伝効果が得られる。
●起案者のデメリット
①管理コストが大きくなる
不特定多数の人から資金を集めるため、それを管理するための人手やコストがかかる。購入型なら見返り商品やサービスの実行・発送、融資型であれば分配金の振り込みなど。
②成功不成功にかかわらず、Web上から削除できない
プロジェクトを公開すると、目標金額の達成・未達成にかかわらず、Web上に残り続ける。いい加減なプロジェクトでスタートすると後悔するだけでなく、さまざまな問題が発生する可能性も。
③資金を得るために一定時間がかかる
サイト上に計画を公開し、資金の募集から達成までに最低でも4〜5カ月はかかる。場合によっては、金融機関で借りるよりも時間がかかることを覚悟する必要がある。
●支援者のメリット
①大きな見返りが期待できる
ソーシャルレンディングの場合、年率5〜9%もの高利率のリターンが期待できるものもある。
②少額から投資できる
ソーシャルレンディングでは、1万円ほどの少額から投資できるため、個人でも気軽に始められる。
③社会的に意義のあるものが多い
寄付型は社会で困っている人を助ける一翼を担うことができるし、購入型なら夢を追い求める人の手助けができる喜びがある。
●支援者のデメリット
①お金が返ってこない
資金を集めて、その後音沙汰をなくすような詐欺的起案者も海外では発生しているようだ。その点に注意が必要。
②キャンセルができない
購入型などでは、いったん支援すると基本的にキャンセルできない。資金援助するときは十分に内容を吟味することが大切だ。
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