ガールズウォーカー、日本最大のケータイメディアへの道 第三回

2008.03.04

開発秘話

ガールズウォーカー、日本最大のケータイメディアへの道 第三回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

女性読者数700万人。ファッション&ビューティのNo.1ケータイメディア「ガールズウォーカー(GW)」。当初ケータイでの物販など狂気の沙汰といわれたサイトはいま、ケータイ通販のトップを突っ走る。その成功への道のりをゼイヴェル社担当プロデューサーの石倉氏に聞いた。

                                     ゼイヴェル本社での取材風景↓

■永遠のベータ版
「我々自身の表現力を高めるために、ケータイサイトを作っているクリエイターが集まる仕組みを作りました。ケータイのランキングサイトやケータイメルマガの発行スタンドがそれです」

これは巧妙な戦略だ。ケータイの勝手サイトがぽつぽつと作られ始めると、時に才能豊かなクリエイターが登場する。彼らが作るサイトは人気を集めるわけだが、こうしたサイトをGWでは人気サイトとしてランキングできる仕組みを提供した。数年後、Web2.0時代に入って注目されたプラットフォーム作りをいち早くゼイヴェルはケータイで手がけていたのだ。

日本初のケータイによるメールマガジン発行スタンドはガールズマガジンと名付けられた。これはPCで有名な「まぐまぐ」のケータイ版のようなものである。メルマガは一石二鳥効果を狙えるメディアだ。まず、メルマガを発行する先進的なコンテンツクリエイター、サイトオーナーを取り込むことができる。さらにメルマガを通じて彼らについている客に対して、GWをアピールすることもできる。

また優秀なクリエイターを見つけるゼイヴェルは彼らに声をかけ、自社に取り込むこともあった。すでにケータイで優れたサイトを作っているクリエイターは、ゼイヴェルにとって即戦力となる。そうした人間がチームを作ることで、ケータイサイトの制作ノウハウが社内に蓄積されていった。

「システムについても、完成形を求めなかったのがよかったのかもしれません。ケータイは常に進化し続けるもの、そんな認識が社内では一般的でしたから」

仮にPC版インターネットがケータイネットの数年先を走っているとすれば、ケータイの通信環境についても必ず同じような変化が起こる。むしろ先行事例があるだけに、進化のスピードはPC版よりは早まる可能性が高い。

将来の変化が読めているのに、大規模なシステムを作ってフィックスしてしまうのは決して賢明な策とはいえない。しかもケータイはキャリアによって仕様が微妙に違う。すべてのキャリアにきちんと対応するためには、柔軟性と機動性が何よりも必要だ。

「システム設計の基本思想は、永遠のベータ版ですね。とにかく速い変化にいかにフレキシブルに対応するかを最優先したわけです。そうでないとケータイの進化に付いていけなくなりますから」

妥協を許さないこだわりのコンテンツを圧倒的なボリュームで揃え、それらを無料で提供する。クリエイター達が自然に集まってくる場を作る。システム自体は常に変化に対応できる柔軟な構造にしておく。これらはすべて近年のいわゆるWeb2.0モデルに共通する要素だ。

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