ガールズウォーカー、日本最大のケータイメディアへの道 第三回

2008.03.04

開発秘話

ガールズウォーカー、日本最大のケータイメディアへの道 第三回

INSIGHT NOW! 編集部
インサイトナウ株式会社

女性読者数700万人。ファッション&ビューティのNo.1ケータイメディア「ガールズウォーカー(GW)」。当初ケータイでの物販など狂気の沙汰といわれたサイトはいま、ケータイ通販のトップを突っ走る。その成功への道のりをゼイヴェル社担当プロデューサーの石倉氏に聞いた。

第三回
「神は細部に宿る」

■ドット画像に込められたこだわり
ターゲットをF1、それもアーリーアダプター層に絞り込み、ファッション&ビューティの分野でセレクトショップ的なポジションを獲得する。ケータイの世界でクリアするには、かなり高いハードルである。これを越えるためにガールズウォーカー(GW)はコンテンツのリッチさを徹底的に追求していった。

「我々は常にケータイの限界までやっていました。8年前は一画面に表示できるデータ量が10Kまでと決まっていたんです。そこでほかのサイトができるだけデータ量を軽くするよう作成していたのに対して、我々はいつも10Kギリギリで勝負していました」

なぜ、ケータイの小さな画面でそこまでこだわるのか。しかも表示自体がまだモノクロの時代である。所詮ケータイの画像など誰もがあまり注意してみていなかったにも関わらずだ。しかし、そのこだわりこそがゼイヴェルのスタイルなのだ。

当時は画像を全部、ひとつずつドットを打ちこんで作っていたという。これは一昔前のファミコン時代の画像のつくり方だ。確かにていねいに作り込めば、それなりの表現力は得られる。しかし、そのためには膨大な手作業が必要となる。

「結局、そのこだわりや作り込みの丁寧さが女性の感性に響くんだと思います。意外に思われるかもしれませんが、メディアは結局コンテンツのリッチさが勝負を決めるんです。だから徹底的に細部にこだわることが大切なんです」

ゼイヴェルはGWをディズニーランドに例えることがある。なぜ、ディズニーランドで人はたくさんモノを買うのか。ディズニーランドに行けば、楽しい思いをたくさんするからだ。では、その楽しい思いはどうやって作られるのか。キャストの徹底したホスピタリティ、ゴミ箱一つまでに気配りされた手抜きのまったくない設備、そうした細部の積み重ねがあって初めて夢の国は成立する。夢見心地になった人たちは自然にそこで売られているものにも楽しさを感じ、購買意欲をかき立てられる。

ディズニーモデルに倣うならGWも、まず何よりも楽しいものでなければならない。確かにモノクロの小さな画面で、表示データに限りがあってと条件は最悪に近かった。逆にいえば、そんな悪条件の中でクリエイティブにゼイヴェル並みのこだわりを示すところはまずない。結局ゼイヴェルは常に競争相手のいない土俵で勝負していたのだ。

「楽しさを提供しようと考えているのに、クリエイティブで手を抜いて、サイト自体でも手を抜いたりすると信頼関係なんて絶対に得られない。我々はそう考えていました」

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