日本経済が気になる今日この頃、最近の経済指標と長短金利の動きがその参考になるのではと思います。 その数字を検証すると、本当にこのまま10月の消費税引き上げについ進んでよいのかと疑問を抱きます。 今回はそんな日本経済の話をしましょう。
GDP推移から見る日本経済
まずは数字から見てみましょう。
日本の昨年第4四半期GDP(国内総生産)は1.4%年率換算、0.3%前期比となり、新聞紙上では、年率ベースは2期ぶりのプラス成長と楽観視する見出しが躍っていました。
前期比ベースではマイナス成長からプラス成長に転換しています。
下記のグラフ(出所:ウォール・ストリート・ジャーナル紙)は、2014年からの前期比ベースの推移を示しています。
確かに昨年半ばの経済は、西日本の豪雨、北海道での震災と自然災害が多く発生しました。
その結果として、多くのサプライチェーンが途切れてしまい、製造業の生産に遅れが生じたことが、この数値の落ち込みを表しているとエコノミストは指摘しています。
しかし、グラフを見ると、各所にマイナス成長の期間が散見され、そして大きく上昇している期間は少ないのではないかと思います。
このことから見ても、安倍首相は2017年消費税引き上げ時期を一年延長することを決定し、現在は今年の秋が消費税引き上げに適しているかどうかを判断するための時期であると言えるのではないでしょうか。
中国経済の影響
日本経済を振り返ると、2017年、2018年は中国からの観光客が増え続け、そして「爆買い」という言葉が出ました。まさにインバウンドの経済効果が目立った時期であります。
これは中国経済が好調で、その結果、所得を伸ばす中間層が激増し、訪日観光客が増えた結果ではないかと思います。
インバウンド商戦の勝ち組、ラオックス、資生堂などの企業名を目にすることが多くなりました。
しかし、現在は中国経済に陰りが見え始め、不動産価格の下落、不良債権問題が噴出しています。
またトランプ大統領が対中貿易赤字、知的財産権の移転を問題視し、強硬に貿易構造を改善させる動きになっており、通商交渉は難航しています。
このままでは通商交渉で合意を見ても、これまでのように中国は経済成長できないのではないかと考えています。
その結果、中国からの観光客が今後大きく増加するかは疑問であり、これから先、一人当たりの購買額は「爆買い」から欧米からの観光客レベルの水準になるのではと思います。
さらに世界経済の懸念からみても、東南アジアからの観光客が今後大幅に伸びるとは考えづらいのが現状です。
輸出額から見る日本経済
インバウンドの経済は現状維持か、下降傾向になるのではとの懸念があり、さらに現状の日本経済に目立った成長分野があるのかついても疑問を持ちます。
そもそも、日本経済のけん引役である輸出企業の輸出額が減少しているのです。
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