日本の経営者はアカデミックな知見を軽視する傾向がある、と以前に書きました。そして、ITに強くない経営者が多いことも事実だと思います。データ、インフォメーション、ナレッジ、ウィズダムと言われて、ピンと来る人は、ITの知見に強い人だと思います。
そう、いくつかのナレッジをベースにして、意思決定をする、その時の人間の感覚的なものを、「Wisdom」と言います。
まじめな例に戻すと、初週と、2週目の受注量から、最終的な受注量を予測して、「工場での生産調整の指示を出す」というのも、人間の知恵「Wisdom」ですね。
ちょっと回りくどい説明をしましたが、企業全体でこういった意思決定のための情報の収集とナレッジの生産が行われると、人間の知恵の蓄積が起こり、意思決定精度が上がっていくんですね。そう、意思決定メンバーも成長していくということです。
まず情報、生データが大量に集まるようにしておく。
それを、いくつかの軸で整理できるように、カテゴライズし、インフォメーション化する。
そのインフォメーションをベースに、なんらかのルール、知見、つまりナレッジを発見する。
いくつかのナレッジを組み合わせ、未来を予測し、その未来の情報に合わせて意思決定する。
これを繰り返すことで、ボードメンバーには、知恵が蓄積されていく。
そして、企業は道を誤らなくなっていく。もしくは外部環境の変化に強くなる。このサイクルを社内に創りだすことが、経営に情報技術を活かすということに他ならないですね。
すごく当たり前のことを、書きました。システムに携わる人は、そんなの当たり前じゃないですか?と思うと思います。
でも、意外と普及していないのでは?と思うのは私だけでしょうか?
このモデルを使うと、フロント寄りのスタッフ、つまり経営企画スタッフや、マーケティングスタッフが、機能するために必要なことがわかってきます。
そういう部門が機能していないなと思う経営者、リーダーは、このモデルで一度、社内をチェックしてみるのもいいと思います。
あなたの会社では、本当にこういうことができていますか?
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
ナレッジマネジメント
2008.03.12
THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。