就活では、新卒・中途を問わず面接が必ずあります。面接を受けるのは憂鬱だと感じる人は少なくない・・・どころか嫌なものと思うのが普通です。一方面接をする側、面接官はどんな気持ちなのでしょうか?私自身が面接を受けた経験もたくさんありますし、(ってことは転職も多数??)、年齢とともに面接をする側の経験が圧倒的に増え、ここ何年かは面接官トレーニングやっています。
1.面接官がうらやましい?
10/1には多くの企業で新卒学生の入社内定式が行われたところですが、もう次の採用、20卒就活は始まりつつあります。実際の採用活動が始まる前から、人事採用担当は水面下でプランニングや予算取り、媒体枠確保など、一年中採用「業務」は続くのです。一方、実際の採用、特に新卒採用はいわゆる一括採用というシステムのため、一定時期に多数の学生を選別しなければなりません。
ES(エントリーシートをこう呼びます)の選別も、何千何万に及ぶ大企業・人気企業はたいへんな作業となりますが、面接はもっと手間がかかります。グループ面接などで複数人を一斉に対応することはありますが、グループ面接だけで採用が来あることはなく、必ず個人面談があり、こればかりは最低でも1対1で企業側の面接官が必要になり、複数名で面接することも普通に行われます。
面接を受ける側からすれば面接は緊張するし、あがってうまくしゃべれないし、意地悪な質問をされたり、「あなたを食べ物に例えれば何?」の類の意味不明な質問を受けたりしたら恐いし、嫌なことだらけです。他方面接官は偉そうに人を見定め、高圧的な態度の人もいたり、こちらが隠したいことを聞いてきたり、とにかく偉そうで楽に見えます。
2.面接官トレーニング
実際に大企業など、たくさんの面接をしなければならない企業では、人事だけでは全く人手が足りず、社内の様々な部門から臨時面接官がかき集められます。小さい企業では人事の数も少なく、やはり大企業ほどの応募者がいない場合でも急きょ社長や役員が面接官を務めたりすることが少なくありません。
しかし自ら日ごろ面接を行っていて、なおかつ人事の時流やコンプライアンスにも通じた人であれば、職務が人事でなくとも優秀な面接官である可能性は高いのですが、そこまで面接に通じていない人は問題です。特に役職だけ偉くて、周囲が反対できないようなジャイアンな立場のおっさん(おばさん含む)が臨時面接官だと悲劇です。
学生にとんでもないバカ質問をするだけならまだしも、「親心で」「善意で」「なごまそうと思って」ハラスメントやらかす輩もいるからです。こうなればもはや企業の危機を呼んでしまいます。
・お父さんの職業は?
・お生まれはどちら?
・血液型は何?
こんなことを口走っていないでしょうか。私のトレーニングでは全部禁止します。いやいや、そんないやがらせや差別じゃないじゃないの!という反論は通じません。会社の危機管理上、言った人がどんな意図だったかは関係なく、ハラスメント認定され、企業価値や信用を失墜させる恐れのあるリスキーな挑戦など、面接官はしてはならないからです。面接では何をすべきで、何をすべきでないかなど、やはり日ごろから採用に携わらない方は知らないのが普通だと思います。
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2019.03.15
2020.02.14
株式会社RMロンドンパートナーズ 東北大学特任教授/人事コンサルタント
芸能人から政治家まで、話題の謝罪会見のたびにテレビや新聞で、謝罪の専門家と呼ばれコメントしていますが、実はコミュニケーション専門家であり、人と組織の課題に取組むコンサルタントで大学教授です。 謝罪に限らず、企業や団体組織のあらゆる危機管理や危機対応コミュニケーションについて語っていきます。特に最近はハラスメント研修や講演で、民間企業だけでなく巨大官公庁などまで、幅広く呼ばれています。 大学や企業でコミュニケーション、キャリアに関する講演や個人カウンセリングも行っています。