CCCとはキャッシュコンバージョンサイクルの略です。 「アップルのCCCが2019年には-97日になる」という記事がありました。今回のこのCCCについて調べてみます。
また別の資料を見ると中小企業の業種別のCCCについて触れています。業種別には小売や飲食店はCCCが非常に短いです。(マイナスもあり)これは売上回収の相手は個人であり、仕入れは大手、また在庫を多く持つだけの資金力もないので逆にCCCを意識した経営をせざるを得ない、という業種固有の商習慣が影響しているとも言えるでしょう。
このように支払能力がないからCCCを短期化せざるを得ない業種はCCCが結果的に短期になっているなど、ビジネスを選択した時点でCCCはある程度決まってしまうようです。つまりCCCはコントロールしようと思えば、ある程度コントロールできるが、今まではあまりそういう意思が働いていない、ともいえるでしょう。
一般的には企業の購買部門はある一定のルールに基づいて支払条件を決めていますが、支払期間を長期化して欲しいという指示を財務部門が出している企業はあまりないように感じます。また、支払期間を含む条件を契約交渉項目の一つとして交渉をしている企業も多くありません。このように日本企業のCCCに対する感度はあまり高くないことが類推されます。
企業にとって取引関係は相互補完的な関係であり、支払期間長期化が必ずしも良いとは言いません。しかしCCCが短期化すればするほど資金需要に対応しやすいのは間違いありません。
一部企業でもCCCを念頭においた経営を志向しており、日本企業における調達部門に対する役割の一つとしてCCCの短縮への貢献が位置づけられるでしょう。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。