2018年6月14日、サッカー・ロシアワールドカップが開幕しました。 このスポーツイベントは言わずと知れた4年に一度開催される、世界中を熱狂させる国際的なビッグイベントですが、「4年に一度開催されるスポーツのビッグイベント」といえば、そう、オリンピックが思い浮かびますね。 しかしその“熱狂ぶり”から見れば、サッカー・ワールドカップのほうがはるかに高いようなのですが、実際のところ、サッカーというスポーツに対する“熱量”と“経済効果”は比例しているのでしょうか? ── 今回は、過去のビッグイベントで動いたお金をもとに、ロシアワールドカップの経済効果について考察します。
課題は、限定的経済効果を永続的好景気につなげること
2014年のブラジルワールドカップ 、2016年のリオデジャネイロオリンピック開催時も、両者での経済効果は630億ドル(約7兆円)とされ、同時に300万人以上の雇用が創出されると見込まれていました。しかし実際は一部への利権集中、一次雇用に限定されたことで、経済回復の起爆剤とはならなかったようです。逆に、多額の税金が投入されたことに対する大規模反対デモが行われたことも記憶に新しいところでしょう。
結局、ワールドカップなどの世界的スポーツイベントを開催しても、その経済効果は「限定的」に終わり、永続的な好景気をもたらすことはなかなか難しそうです。
── いま日本は、2019年のラグビーワールドカップ 、2020年の東京オリンピック・パラリンピックに向けてさまざまな準備がなされ、巨額の投資がなされています。しかし、世界的規模のビッグイベントをもとにその数値を見ていくと、限定的な経済効果をいかに長期的経済回復につなげていくか……という問題が浮き彫りになってきます。これは同時に今後の日本が直面するであろう、大きな課題であることは間違いないでしょう。
≪記事作成ライター:三浦靖史≫
フリーライター・編集者。プロゴルフツアー、高校野球などのスポーツをはじめ、医療・健康、エンタメ系など、幅広いジャンルで取材・執筆活動を展開。好物はジャズ、ウクレレ、落語、自転車などなど。新潟県長岡市在住。
【記事元】
日本クラウド証券株式会社 https://crowdbank.jp
日本クラウド証券メディア マネセツ https://manesetsu.jp
【転載元】
リーダーズオンライン(専門家による経営者のための情報サイト)
https://leaders-online.jp/
続きは会員限定です。無料の読者会員に登録すると続きをお読みいただけます。
- 会員登録 (無料)
- ログインはこちら
関連記事
2009.02.10
2015.01.26