「ダメなリーダー」には特徴がある。演出家・鴻上尚史氏が考える「最良のチームづくり」

2018.06.21

経営・マネジメント

「ダメなリーダー」には特徴がある。演出家・鴻上尚史氏が考える「最良のチームづくり」

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劇作家・演出家として活躍する鴻上尚史さん。 現在発売中の『不死身の特攻兵 軍神はなぜ上官に反抗したか』(講談社現代新書)の著者でもある鴻上さん。 戦時中の徹底した上意下達の組織の中でも、特攻という行為を否定し、「無理に死ななくてもいい」と言った特攻兵と上官たちとの関係性を通してみることができる、現代社会の働き方やリーダー論について語った。

クリエイティブな仕事に必要なのは「寝ること」だ!!

鴻上さんが、仕事の上で最も大事にしているのは「寝ること」だ。

7時間から7時間半は寝るようにしている。

「クリエイティブなことをしようと思ったら、それくらい寝ないと頭は回らないと僕は思っています」

5時間の睡眠でも、仕事を進めることはできる。

「でも、本当の意味で深く考えていない気がしますね」

ルーティーンで単にこなしているだけになってしまうのだ。

「待てよ、もっと本当にベストなアンサーはないか?ベターなアイデアは浮かんだけど、ベストがあるんじゃないか?と考えるには、十分に寝ておかないと思考が働かない」

鴻上さんの芝居には、いわゆる「名セリフ」と呼ばれるものが多い。鴻上ファンの中にはそれらの言葉を大切にしている人がたくさんいる。

だが、「芝居の名言みたいなものも、相当頭を絞るんですか?」と聞くタケに対する鴻上さんの答えは「セリフはあくまでもキャラクターの言葉なので、名言を書こうとは思っていないんですよ」というものだった。

ふと思い浮かんで書き留めるようなこともあるが、ほとんどの場合は役者とのキャッチボールの中でいい言葉がパッと浮かぶのだという。

以前書いた芝居の脚本で、アルバイトをしながら小説家を目指していた若者が、しばらくしてそれを諦めた時に年上の姉御が「あのね、才能っていうのは夢を見続ける力のことなんだよ」という場面があって、「我ながらいいこと書いたねってホロっとしました」と笑う。

「キャラクターが生きていると、ポロっといいセリフが出てくるんですよ」

脚本を書く際には、テーマに関することについては徹底的に調べて勉強するようにしている。

専門家や業界の人が観に来た時に「なまぬるい」「間違っている」と思われたくないからだ。

はじまりの場面から順に書いていくこともあれば、最後の場面のイメージが浮かんで、そこに向かうためには?と遡って書くこともあるという。

70歳になっても80歳になっても書いていられたらいいな、と考えている。

「脚本家の仕事には、これで終わりという意識がないですね。それがいいのかどうかわからないけど」

最後に、タケはこっそり鴻上さんにこんな相談をしてみた。

「ラジオ番組がもっと広く受けるようにするにはどうしたらいいですか?」

「あはは」と気持ちよさそうに笑った後で、鴻上さんはこう言った。

「結局大事なのは、コンテンツ。内容が面白ければ、とても可能性のあるメディアだと思う」

嬉しそうに大きくうなづいて目を輝かせたタケ。何か大きなヒントを見つけられたのかもしれない。

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