25年の歴史に幕──「PHS」通信サービスが2020年7月で実質終了へ

2018.06.18

経営・マネジメント

25年の歴史に幕──「PHS」通信サービスが2020年7月で実質終了へ

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1995年に登場し、携帯電話より割安なコミュニケーションツールとして一世を風靡(ふうび)したPHS。 PHSの愛称「ピッチ」と聞いて、懐かしいと思う方も多いのではないでしょうか。 そんなPHSの一般向け通信サービスが、ついに2020年7月末をもって終了することになりました。スマートフォンをはじめとする携帯電話がすっかり主流となった今、通信業界に一時代を築いたPHSは四半世紀の歴史に幕を閉じようとしています……。

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時代のニーズとともにPHSの存在価値が薄れて利用者が減少

しかし、2000年代に入ると携帯電話各社が対抗して料金を大幅に引き下げ、通話エリアや音声品質も改善させたことで、「つながる・高音質・割安」というPHSの強みは徐々に薄れていきます。
さらに、2008年に国内で「iPhone」が発売されたのを機に、携帯端末でサイトや動画を閲覧するスタイルが浸透し、通信速度が遅いPHSは携帯電話に押されて利用者が減少。

そうした中、2008年にはNTTドコモがPHSサービスを終了し、2010年にはPHS事業を手がけてきたウィルコム(DDIポケットが社名変更)が経営破たんする事態に追い込まれました。その後、ウィルコムはソフトバンクに吸収合併され、ワイモバイルブランドでPHSサービスを続けてきましたが、2015年以降、PHS端末の新機種は投入されず、契約件数も減少の一途をたどっていました。

ちなみに、2017年12月時点のPHSの契約件数は約278万件(前年比・約20%減)。これに対して、スマートフォンをはじめとする携帯電話の契約件数は約1億6700万件(前年比・約4%増)と、モバイル通信業界で圧倒的なアドバンテージを有しています。ソフトバンクグループとしても、ユーザーの取り込みが見込めないPHSにコストをかけて細々と維持するより、ここで見切りをつけて次世代の通信設備投資に回すのが賢明と考え、今回のサービス終了という決断に至ったのではないでしょうか。

四半世紀にわたるPHSの歴史を振り返る

では最後に、PHSの四半世紀にわたる歴史とPHS関連の主な出来事を、年代を追って振り返っていきましょう。「そういえば、あんなことあったなぁ」……と、いろいろ思い出されますね。

【1995年】NTTパーソナルとDDIポケットがPHSサービスを開始
【1997年】PHS契約件数が700万件を超えてピークに達する
【1998年】NTTパーソナルがNTTドコモに営業譲渡
【1999年】携帯電話とPHSの電話番号が11桁に増え、PHSは最初の3桁が「050」「060」から「070」に変更される
【2001年~】携帯電話を追ってPHS端末の多機能化が進み、インターネットに接続できる機種や、デジタルカメラ搭載の機種が次々と登場
【2005年】DDIポケットがウィルコムに社名変更し、マイクロソフト「Windows Mobile」を搭載したスマートフォンを「iPhone」に先がけて発売
【2008年】NTTドコモがPHSサービスを終了
【2010年】ウィルコムが経営破たんし、ソフトバンク傘下で同事業を再始動
【2013年】PHS専用の電話番号「070」が携帯電話でも使用可能になる
【2018年】ソフトバンク・ウィルコム沖縄が一般向けPHSの新規契約受け付けを終了し、2020年7月末で同サービスを終了すると発表

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