自戒の念を込めて言うと、 何事も「方法論」(methodology) からスタートすると、 たいていうまくいきません。
ある時期、知的好奇心もあり、自分独自の方法論を確立しようと、
過去の経験、国内外文献、他業種の事例などをたくさん集め、
それを昇華して、1つのコンサルティングプログラムを
作ってみたことがあります。
なかなかよいものができた!と、
周りで大活躍しているコンサルタント仲間たちを集め、
「これ、優れてるでしょ!売れそうでしょ!」
と自信満々に聞いてみると、
「ん〜、これって誰につかうの?
どんな問題を抱えるクライアントを想定してる?」
と質問され、抽象的にしか答えられない自分に気づきました。
方法論オタク的な状態になると、頭の中の概念だけで探究し、
(それが結構楽しかったりする)
抽象的な概念に概念を重ねて思考がどんどん展開されていく。
そして、いつの間にか、マーケット、つまりクライアントのことは、
すっかり忘れてしまっている。
アカデミックな分野のビジネスならいいかもしれないけど、
実際に目の前の問題を限られた時間で解決しなければならない、
さらには、そのサービスを売っていかなければならない
ビジネスプロフェッショナルにとっては、
方法論先行型はうまくいかない。
斬新な方法論を聞いて、
そのサービスを購入してみようというのは、
よっぽど余裕のある大手企業の、
同じように知的好奇心が高い一部の人間だけ。
本当に困っているクライアントにとっての関心は、
その問題が解決されることであって、そのための方法論ではない。
全てはクライアントのニーズからスタートすべき。
そのための方法論を、全面に出す必要もないし、
方法論に固着したような姿勢は疑わしく思われる。
あくまで、方法論は自分の中のデータベースにしまい、
必要なときに、そこから抽出してカスタマイズして使えばいい。
フォーカスすべきは、クライアントにとっての価値
(問題解決、課題発見、モチベーションアップなど)であって、
方法論、テクノロジー、何ちゃらモデル自体ではない。
【プロジェクトの現場を勝ち抜く技術】
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