前回は、プロジェクトを経営の中心に据えて事業をドライブすること、プロジェクトを「プラットフォーム」として捉え、そのプラットフォームに社内外の有能な人材を集める力が求められるという話でした。
また、戦略マネジメントで描いた全体像から個々のプロジェクトを眺めて、各プロジェクトの方向性がズレていかないように監視したり、プロジェクト(プログラム)を跨る課題の調整・コンフリクトの解消などに対して積極的な働きかけができるチームでないと意味がありません。そのような全体を押さえた調整役が不在だと、各プロジェクトが、それぞれ単体のプロジェクト事情に囚われて、部分最適なプロジェクトが乱立するだけの状態に陥ってしまいます。そうならないためにも複数のプロジェクトを横断的にみて意思決定を行う方法やガバナンスの仕組みを経営システムとして確立させ、プロジェクトをベースとする経営に関して経営層や事業部門長レベルでの啓発も必要となるでしょう。
このようにマインドそしてマネジメント面の変革によって、企業の垣根を超えたイノベーティブなプロジェクトに対応できる組織に変わる必要があります。さらには、単に新しい製品やサービスを立ち上げるだけに留まらず、その運用も外部のパートナーとのコラボレーション事業としてプロジェクト型で継続されるケースも増えてくるでしょう。そうなるとプロジェクトで生み出す成果に対してはより一層厳しい管理が求められます。
一度始めたからと惰性で続くような緩い管理ではなく、プロジェクトをフェーズごとに実行していき、その都度、市場環境などからプロジェクトスタート時の前提条件をアップデートし、継続して投資する価値があるかの判断を行う。そして継続となれば、その投資に対するリターンを確保するよう長期的・全体的な視点からマネジメントを行います。
そういう意味では、これからは プロジェクトのマネジメント=事業経営そのもの という捉え方をし、プロジェクトは単なる非定常的な活動ではなく、あたかも1つの会社を経営するような感覚に近づいていくのではないでしょうか。そして、そのプロジェクトを"経営"し発展させることが、その企業全体の成長を加速させるのことになるのでしょう。
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