前回は、プロジェクトを経営の中心に据えて事業をドライブすること、プロジェクトを「プラットフォーム」として捉え、そのプラットフォームに社内外の有能な人材を集める力が求められるという話でした。
(前回)→ https://www.insightnow.jp/article/obc-07
より革新的な商品・事業モデルなどが求められるこれからの時代には、自らのネットワークを広げ外部の力を取り込む機能を持つ必要があります。では、外部のリソースを最大限活用してプロジェクトを成功に導くために必要不可欠な要素とは何でしょうか?
それには、経営陣レベルにおいて、マインドそしてマネジメントという2つの側面での変革が迫られます。
プロジェクトは共創活動、対等なパートナーというマインドを持つ
外部からの人員は、企業だろうと個人だろうと、ビジネスを共に進める”パートナー”であり、プロフェッショナル同士の対等な立場だという意識を持つことが重要です。
革新的な製品・サービスをコラボして生み出す仲間として、「発注先」「発注元」という立ち位置を超えた関係性を持つことが大事になります。そして、自分たちの会社は「プロジェクト」というプラットフォームのオーナーではあるが、そのプラットフォームに参加し活躍してもらうプレイヤーたちは、自社内からの人もいれば、専門技術を有するパートナー企業から、あるいはフリーで活動するコンサルタントやデザイナーなどが参加することもあります。いずれにしても、参画するプロフェッショナル達はみな“対等なパートナー”として、プロジェクトの目的を共有してその実現に力を結集させることが重要です。
特に最近では、有能な人材は1つの組織に属さず、フリーランス的に活動する人も増え、その傾向は今後ますます加速していくと予想されます。その中でも特に優秀な人たちにプロジェクトに参加してもらうには、金銭的なインセンティブだけでは十分ではありません。 組織に属している人と違って、優秀な人であるほど自ら仕事を選べます。そしてプロとしての意識が高いが自尊心も高い。単なる「業務委託の人」とか「業者さん」扱いされるような会社とは一緒に仕事をしません。そのような態度や意識で接すれば、NG会社の烙印を押され、“彼ら・彼女らの優秀な人たちのネットワーク”で広がってしまいます。
「仕事を出す方が偉い」「使ってあげている」といった意識は、その”発想自体がアウト”です。ところが、一流といわれる企業ほどそのような考え方が根付いている場合が多く、それでは優秀な外部のパートナーを引き寄せ革新的なプロジェクトを生み出すことなどできません。そういう意味において、まずは外部パートナーとの関係性に対する「意識の改革」から始める必要があるでしょう。
事業経営とプロジェクトマネジメントが融合されていく
次にマネジメントに関してですが、大きく2つあります。
「戦略的マネジメント」と「オペレーショナルマネジメント」です。
「戦略的マネジメント」は、
・何をやるか?何を目指すか?
・そのために、どんなプロジェクトを立ち上げるべきか
という経営の意思決定の話です。
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