シリーズ:マーケティングなんてカンタンだ!・間違いがちなフレームワークを総点検【第4回】マーケティングは流れで読み解く

画像: Sebastiaan ter Burg

2016.03.23

営業・マーケティング

シリーズ:マーケティングなんてカンタンだ!・間違いがちなフレームワークを総点検【第4回】マーケティングは流れで読み解く

金森 努
有限会社金森マーケティング事務所 取締役

 「マーケティングは難しい」という人の多くは、フレームワークを知らない・正しく用いていないという場合が多い。そのため、当連載では、フレームワークを行う上で「陥りがちな落とし穴」を時に事例も使って解説してきた。  しかし、マーケティングはフレームワークを使う以前に絶対守らねばならない「大原則」がある、今回はその点を取り上げてみたい。

つまり、問題があれば、どこまでも前の段階まで戻って検討し直すのがキモである。ただ、せっかく考えてきた内容を自己否定して、考え直すという作業は正直面倒くさい。だが、この「戻る!」をどれだけ愚直に行うかで成功確率が大きく変わる。むしろ、企画段階で考え直すというレベルで戻れるだけ幸いだ。戻らずに実行段階まで行ってしまい、モノが売り出され棚に並べられて「売れない・・・」となってからでは、リカバリーするのは大変だ。

【事例】

2007年なので少しだけ時代が前だが、「シーブリーズ」の製品改良を伴うリポジショニング(ポジショニングの変更)の例を挙げよう。下図のように、世の中の流行・若者の行動が変化した。
この事例のすばらしいところは、単に小手先で製品をいじって終わり・・・ではなく、環境の変化を踏まえてターゲットを変更し、その購買決定要因を抽出してターゲットに魅力を訴えかけられるポジションを設定し、そのポジションを実現するために4つのPをどのように組み合わせれば良いかという設計がなされていることだ。つまり、全てを整合させることで効果の最大化を図っているのである。

最後に大事なことなので、もう一度言っておこう。「マーケティングは流れで読み解く」「マーケティングは整合性が命!」「(流れの中で整合性に疑問が生じたら)戻る!」である。

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金森 努

有限会社金森マーケティング事務所 取締役

コンサルタントと講師業の二足のわらじを履く立場を活かし、「現場で起きていること」を見抜き、それをわかりやすい「フレームワーク」で読み解いていきます。このサイトでは、顧客者視点のマーケティングを軸足に、世の中の様々な事象を切り取りるコラムを執筆していきます。

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