2017年1月に10万円前後だったビットコインが、同年暮れの12月上旬には200万円の大台に乗るなど、その爆騰が大きな話題となったビットコイン。 しかし、その数日後には約2〜3割も暴落するなど、乱高下の激しさも浮き彫りになりました。金融庁による仮想通貨取引所の登録制が導入されたこともあり、投資家から初心者までヒートアップしているのが現状といえるでしょう。 最近では手元の仮想通貨価格が「勝手に増えていく」人のことを「億り人」と呼ばれ、50万円の元手があれよあれよという間に増え、気づけば1億円を突破した……という人も。このように話題に事欠かないビットコインですが、ニュースに触れ興味を持った方も増えたのではないでしょうか。前回に続き、ビットコインの根幹をなす仕組みについてご紹介します。
需要と供給のみで価格が決まるビットコイン
2009年の取引開始からわずか10年足らずで、一時は1ビットコイン=約230万円まで高騰したビットコイン。
ビットコインが高騰する理由は何か。
答えは単純で「価値があると多くの人が判断したから」。発行者も管理者もなく、中央管理者のコントロール下に置かれることのないビットコインは、需要と供給のバランスによってのみ価格が反映されます。つまり、単純に需要があれば値が上がり、なければ下がるということ。
ご存じの通り銀行などの機関がなく、インターネットを通じて取引されるため、世界の動向が瞬時に反映される点も特徴といえるでしょう。
たとえば昨年11月〜12月に、世界最大のデリバティブ取引所運営会社の米CMEグループや、ナスダックなど由緒ある大きな取引所が、ビットコイン先物を上場すると発表すると、価格はぐんと上昇。逆に今年1月、取引量が世界第3位の韓国で、仮想通貨の取引を禁じる法案の準備が進んでいると発表されると一気に下落に向かいました。
ビットコインは、法定通貨のように価値が保証されているわけではなく、適正価値も実のところよく分かりません。価格変動が大きく、株価のようなストップ高/安という概念もありません。
こうしたリスクを踏まえても、なお多くの人が魅了されるのは、通貨の概念をくつがえし、ネットワークを通じて流通させる民主的な手法に、大いなる未来を感じるからなのでしょう。
2140年ごろに新規発行は終了する!?
ビットコインは最初に述べたように、発行者はいません。あらかじめ設定されたプログラムにより、総発行量は2100万枚と決まっており、およそ4年ごとに発行量が半減していくように定められています。現在すでに半分以上が発行されており、2140年ごろにビットコインの新規発行は終了すると予測されています。このように発行量に上限があることも、価値を上昇させていると言えます。
では、コインの新規発行は、どのようになされるのか。
ビットコインは、ネットワークにつながれたすべての人の間で譲渡が繰り返される性質を備えたものです。この点が電子マネーとはまったく違います。管理者を持たずに、電子データであるビットコインが既存の紙幣のような役割を果たせるのは、不正使用を防ぐ仕組み=ブロックチェーン技術が根幹にあるからです。
ブロックチェーンとは、ネット上にある大きな公開帳簿のようなもの。ビットコインの誕生から今に至るまでの全取引データが記帳され続けています。
この台帳は、一定期間の取引情報(100〜1000件)が一つのブロック(塊)となって、つながっているものです。新しいブロックができると、ひとつ前のブロックにつなげられていきます。このときブロックにつなげる記帳作業が、ビットコインの新規発行と深くかかわっているのです。
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