/6434名(内閣府集計)。そのうち、9割は、15分以内の「即死」だった、とされた。しかし、15分だ。声を挙げ、助けを呼び、息絶えるには、あまりにも長い。そして、残りの1割、403名は、あの瓦礫の下で生殺しにされ、生きながら赤い炎で焼かれた。でも、あのとき、我々は、なにもできなかった。そして、逃げた。だから、もう繰り返したくないのだ。/
あの日を忘れないためには、ライトアップも集客イベントもいらない。あの日、失った家族や隣人、友人を、そして、いま、ほんとうに大切な人、大切なものを思い出すために、ヤラセだらけのテレビを消し、広告だらけの新聞も閉じて、目の前の人と、近所の人と、きちんと目を見て、あの日のことを静かに話そう。そして、街中の明かりを消し、あの日に見た、月と星しかない夜空を黙って見上げよう。いつかまた、我々は、ともに手を握って、災害に立ち向かわなければならないのだから。
(by Univ.-Prof.Dr. Teruaki Georges Sumioka. 大阪芸術大学芸術学部哲学教授、東京大学卒、文学修士(東京大学)、美術博士(東京藝術大学)、元テレビ朝日報道局『朝まで生テレビ!』ブレイン。専門は哲学、メディア文化論。最近の活動に 純丘先生の1分哲学vol.1 などがある。)
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2015.07.17
2009.10.31
大阪芸術大学 哲学教授
美術博士(東京藝大)、文学修士(東大)。東大卒。テレビ朝日ブレーン として『朝まで生テレビ!』を立ち上げ、東海大学総合経営学部准教授、グーテンベルク大学メディア学部客員教授などを経て現職。