コミュニケーションが苦手と感じる人は多いです。自分がどう話すかにフォーカスし、うまく伝わってないのを感じて悩む人も多いでしょう。さて、相手のことを知ろう、理解しようとする愛あるコミュニケーションは、よく聴くことから始まります。そして言葉であれ問いであれ、相手に何を投げかけて行けば良いのかは、聴くことによって自ずとわかります。話すことより聴くことにフォーカスした結果です。 そしてそこから起こることは、相手の考えや世界を理解できるだけではありません。 実は自分自身の世界への気付きになります。よく聴くことが、相手の世界に相対する自分の世界を照らし出します。それによってコミュニケーションは、自分自身の世界をもっと広げてくれるのです。
例えば、こんな会話です。二人の女性が、次の週末、それぞれ旅行に行くといっています。
A美「私、今度の週末、京都に旅行に行くの」
B子「あら、京都?いいわね。でも、もう紅葉は終わりでしょ。もう年末も近いのに…」
A美「うん、あえて紅葉の時期は混むから避けているの…。そろそろ混雑も落ち着くでしょう?」
B子「何か理由がありそうね?」
A美「だって、私は仏像に会いに行くの。紅葉の時期は、混んでいて、仏像とゆっくり語り合うような鑑賞は難しいから。」
B子「仏像と語る?!A美にそんな哲学的な趣味があるとは知らなかった…。あ、私もね、語りに行くようなものかな。」
A美「そう言えば、あなたは、週末、伊豆に行くんだっけ?もうオフシーズンでしょう…?」
B子「うん。伊豆でね、海を前にすわって、波の音に耳を澄ませるのが好きだから。
波の音を聴きながらね、ゆっくり深呼吸すると、とてもリラックスできるの。瞑想するみたいに。
それには、空気が澄んで人がいないこのシーズンが最高だから。
『ああ、なんだか本当の自分に還れるなぁ。自分大丈夫だね』って、いつの間にか心の中で対話し ているのよ。」
A美「へぇ、意外に詩人なのね。お互いに行く所は違うけど、自分の心の声を聴いて、自分の内面を整理しているわけね。
年末までに、これをしておかないとね。でしょう?」
B子「そうそう。今の時期にやって、今年のモヤモヤをスッキリさせておくのよね。それ、私に とっては、自然からもらえるものですることが大切なの。
私、あなたが仏像と語る理由にも興味あるな。」
A美「うん、私はね、仏像が長い年月の間、…」
というように互いに相手の世界に寄り添って聴き、自分の世界を語り、互いの世界を理解し、似ている所もあるけれど、互いに違う自分に気づいていきます。
これもB子が「何か理由がありそうね?」と相手の旅に何かあると興味を示したからにほかなりません。そんな風に相手の世界に寄り添おうとしたら。A子も「よくぞ尋ねてくれました」とばかりに話し始めました。
これは、カウンセリグでの聴き方でもあります。
カウンセラーは、相手が表向きに表現する言葉の奥に、本当に言いたいことがあるのでは?
と、常に意識して聴くからです。
これが 相手を理解せずに自分で勝手に想像して何かを言うと、次のような会話になってしまいます。
A美「私、今度の週末、京都に行くの」
B子「そうなんだ。私は伊豆なの。でも、もう京都の紅葉は、遅いでしょう?
そっか、京都のこの時期ならの美味しいものがあるものね。湯豆腐とか?楽しんでね。」
次のページ◆ 互いの世界を理解するコミュニケーションが、自分を成...
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2018.03.04
2018.03.28
一般社団法人フラワーフォトセラピー協会 代表理事
こんにちは。内藤由貴子です。花の写真でストレスを作る感情を分析、心理診断を行い、さらにその解消まで行うフラワーフォトセラピーのセラピストです。INSIGHTNOWでは、異色な存在かもしれませんね。このセラピーの普及のため、一般社団法人フラワーフォトセラピー協会を設立、講師の養成、セラピストの紹介を行っています。自身、色を使うオーラソーマ®をはじめ、セラピストとして16年あまりのキャリアです。このINSIGHTNOWでは、こころをケアに役立つようなコラムを書かせていただきます。よろしくお願いいたします。