キュレーションサイトの問題は、企業のオウンドメディアも他人ごとではない

画像: yamauchi

2017.02.03

営業・マーケティング

キュレーションサイトの問題は、企業のオウンドメディアも他人ごとではない

猪口 真
株式会社パトス 代表取締役

まとめサイトやキュレーションサイトが酷いことになっているが、業におけるコンテンツマーケティングサイト(オウンドメディアとして)は大丈夫なのだろうか。

まとめサイトやキュレーションサイトが酷いことになっているが、業におけるコンテンツマーケティングサイト(オウンドメディアとして)にしても危なっかしいことをやっているところはかなり多い。

これにステマの問題もからんでくると、企業の広報担当として気が気でない人も多いだろう。さらに、普段から配信しているメルマガの内容も含めると、何が良くて何がだめなのかはっきりと分からない担当者も多いのではないか。

本来、企業の広報Webサイト、あるいはメールマガジンは、その企業の広告活動をするためにあるのだから、自社サイトで何を言おうが(虚偽でなければ)、基本的には問題ない。

しかし、Webマーケティングの手法論が様々生み出され、あらゆる手法を駆使するようになり、さらに、クラウドや安価なCMSのサービスの出現によって、ローコストで自社メディアとしてオウンドメディアを持つことができるようになった。その時点ですでに「メディア」と呼んでいるのだから、「自ら発信する」場を選んだわけだ。

そして、ここで自社のソリューションにつながるようなコンテンツ(広告ではない!)を掲載し、頻繁な更新をしていくことで顧客とのリレーションを活性化していこうと、コンテンツマーケティングという手法、概念がもてはやされた。

しかし、メディアとはいえ、最初から膨大な読者数がいるわけでもなく、ただWebサイトを一生懸命に更新しても、PVはいっこうに増えないし、資料請求者が一気に増えるわけでもない。ごくまれに「いつも楽しみにしていますよ」とおなじみの客からほめていただくぐらいだ。

「いったい初期構築費とコンテンツの運営費用はいつ回収できるのか?」といった声のなか、いたしかたなく、なかば義務的に行っていた「メールマガジン」配信の仕組みの中で、URLをはりつけて送るという手作業を繰り返すことになる。

とはいえ、それでもPVはたかがしれているため、「メディア」と呼んでいる体裁上、貧相なPVでは説明責任も果たせず、「メディア」と言えるだけのPVを目指すことになる。

もともと、広くマスに届けたい広告に反発するかのように生まれ、商品のダイレクト訴求ではなく、背景にあるストーリーを共有してもらおうと始まったものだが、そうそう簡単に斬新で感動的なストーリーが生み出せるわけもなく、平凡な話を繰り返すか、更新頻度が少しずつ遅れてしまい、なし崩し的に自然消滅の道をたどることになる。

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