2016.10.03
プロが教える!明日からウサギと暮らすため講座「 『hare(ノウサギ)』『rabbit(アナウサギ)』は別の生き物」
武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
ウサギと暮らすことがはじめての「ボク」が、ウサギのプロであるウサギカフェ店長「武田さん」に、ウサギについて教わってゆきます。この記事を読めば、「ウサギってよくわからない…」から、「ウサギのことならわたしに聞いて!」となることを保障します。今日の内容であなたのウサギに対するイメージが変わるかもしれません。
■ある日、あるウサギカフェでの話
ボク 「英語にはウサギを表す単語が2種類ありますよね。”hare”と”rabbit”。これは違う種類なのですか?」
武田さん 「さすが学生!目の付け所が違うわね。そのとおり。"hare"は『ノウサギ』、"rabbit"は『アナウサギ』をさすの。この2匹は見た目は似ているけれど、遺伝的には遠くて、イヌのような交雑種、つまり雑種は生まれないのよ。
ボク 「そんなに違うんですか!」
■ノウサギとアナウサギ
実は一口に「ウサギ」といっても、「ウサギ目」の「 ウサギ科」「ナキウサギ科」に大きく分かれ、「ウサギ科」の中に12種類の属がある。この中に「ノウサギ属」と「アナウサギ属」があり、ヒトと一緒に暮らしているウサギのほとんどが"rabbit"、アナウサギなの。
ノウサギとアナウサギは遺伝的にもかなり遠い。だから雑種は生まれない。生まれたときから違いがあって、ノウサギは毛がふさふさで目が見える。アナウサギは毛がなくて目が見えない。
ウサギとカメのお話の「ウサギ」は"hare"なのよ。英語圏では、きちんと単語が別名くらいに別の生きものとして理解されているということね。
ノウサギは野生動物なので人に慣れにくく、また小さなときに手を掛けても育ちにくいの。わたし自身は、一度ノウサギが一般のお宅で育てられているのを見たことがあるけれど、わたしたちが「ウサギ」ときいて思い浮かべる姿とは違って、耳が長く足が長くて身体も大きかった。いい子だったけどもね。
■アナウサギは群れをつくる
ノウサギは単独行動なんだけれど、アナウサギは群れを作る、人間と同じ社会性のある生き物。生まれはヨーロッパの草原で、今も野生のアナウサギが暮らしているのよ。
オスの縄張りは広く、100メートル四方あり、その中に2~8匹のメスとその名の通り、穴を掘って暮らしている。
アナウサギたちは、上下関係がしっかりしている動物。野生だと、メスは優劣によって、巣穴の位置やオスとの交尾の順番が決まっている。その習性によって、ペットとして1匹で暮らしているなら飼主さんと、多頭飼いなら飼主さんを含めた他のウサギと上下関係をつくる。
そのため、ウサギが甘えてきたときにさせ放題にしておくと、ウサギがその群れの中で1番になってしまい、「ウサギにさわれない」という状態になることがあるのよ。気をつけてね。
これから、わたしが「ウサギ」と言ったら、「アナウサギ」のことだと思って。
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武田 真優子
つむぎペットケア 老犬介護スペシャリスト/もふもふ認定動物看護師
ペットホスピスをつくるために地方移住予定/うさぎと暮らすペットヘルパー/認定動物看護師。老齢動物介護/グリーフケア/ペットマッサージ