ルーティンワークにいそしむリーダーやマネージャーは多い。そして、不思議なことにそのルーティンワークによって新しい結果を得ようとするリーダーやマネージャーも多い。なぜなのだろうか。
ビジネス・パーソン、特にマネージャーやリーダーと呼ばれている人は、結果に対して責任を持っている。
現場(チーム)に与えられた数字目標をクリアするかどうか、この点がもっとも大きな評価されるポイントとなるからだ。
毎日のように、上司からは進捗状況の報告を求められ、目標必達のプレッシャーが襲ってくる。毎日胃が痛い状況だろう。
望んでいる結果に対して、行動・実行がすでに伴っているのであれば問題ないが、そんな状況にある組織などほとんどないだろう。望んでいる結果とはほとんどストレッチであり、現在のルーティンワークでは決して達成されることはないからだ。
だから結果目標ばかりが先行し、あとから何をするかを考えるという繰り返しになっているはずだ。そして多くの組織では、「実行」のないまま目標を望むことになり、当然ながら目標は達成されない。
そうした状況を考えれば、日々の上司からのプレッシャーに応え続けることが何よりも大切な仕事となってしまい、新しいことへのチャレンジなどできる時間などないのも無理はないかと思えてくる。
こうしたリーダーに対して、「あなたは実行しているか?」と聞くと、おそらく「YES」と答えるに違いない。
日々一生懸命に目標達成に向かって働いている(と思っている)からだ。
当たり前だが、目標に到達したいという気持ち、目標を達成しろという掛け声、どうにか達成してくれとメンバーにお願いすること、プレッシャーを与えること、常に目標達成できるかと心配することは、実行とは言わない。
実行とは、ニーズに対して効果的な戦略やソリューションを的確な手段と方法でタイムリーに提供することだ。場合によっては結果を生み出さないこともあるかもしれないが、ニーズに対してソリューションが的確であれば、結果を伴うことのほうが多いだろう。
当然、リーダーは、常に自分自身で行動することばかりではないが、実行するリーダーとは、策定された戦略をチームメンバーに対して翻訳し、行動のレベルにまでかみ砕いてやらなければならないし、ときには、先陣を切って進む必要もある。
経営者とチームマネージャーとの間にあるギャップは、この「実行」に関するものが最大ではないかと思う。
戦略の立案やアイデアに関しては、むしろ経営者よりも若いマネージャークラスのほうがはるかに優れているだろう。
しかし、本当のリーダーには実行力がある。現状を打破し、新たなバリューを生み出すための実行力がある。だから、組織が成長するのだ。
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