自分の能力適性と仕事内容がマッチしないというのは、実は「小さなミスマッチ」です。中長期のキャリアで気にかけるべきは「大きなミスマッチ」です。
もちろん「アントレプレナビリティ」を養うといっても、雇われる生き方を否定するわけではありません。ある会社組織の中で、多少の不満はありつつ定年までキャリアを全うできるならそれはよいことです。私が言いたいのは、「アントレプレナビリティ」を養っておき、状況によっては、勇気を持って起業するときがあるかもしれないし、結果的に起業せずに終えるときがあるかもしれない。いずれの結果になるかは天のみぞ知るですが、両方の選択肢がとれるようにしておくことこそ、最大の防御にして、最大の攻撃になるということです。「この会社をいつやめてもいいように、自分は起業できる能力と意志を養っておく」という準備は、いろいろな意味であなたの仕事・キャリア・生き方を強靱にすることはまちがいありません。
会社組織の中で「できること」をこなすだけの日々を送るのではなく、職業人としての自分が「したいことは何か?」「満たしたい価値は何か?」を最上位に置いて考えてみる。そのもとで「できることは何か?」を考えてみる。そして、「起業できるか?」「起業するには何が足りないか?」を考えてみる。こうした思考シミュレーションをつねにやってみてください。そして会社勤めの脇で、考えたことのいくつかを行動に起こしてみてください。こういう習慣が、将来の自分を守り、前途を切り開いてくれることになるでしょう。
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2009.10.27
2010.03.20
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。