モチベーションを高く持つことが、仕事の成功への近道だとはよく言われる。当然、情熱のあるリーダーのほうが、成果が生まれるだろう。情熱があれば、多少の障害や問題を乗り越えて行動するだろうし、行動すれば結果はついてくる(はず)。さて実際は?
というのは、この「モチベーション・情熱」に関しても、実は、自分のことに関しては、「モチベーション・情熱」はあると思っているのだが、部下やチームメンバーに関しては、「ない」と思っていた。
「モチベーション・情熱は、自分にはあるのだが、チームメンバーにないから成果が出ない」というわけだ。
おそらくこの結果は、裏を返せば(チームメンバーに対して、上司のモチベーション・情熱はあるか?という質問を投げかけた場合)、同じような結果が出るのではないか。
つまり、部下やチームメンバーにモチベーション・情熱はないと答えたチームほど、上司に対しても同じような考えになっているのだろう。
結果の出ないリーダーには、「他責(人や環境のせいにする)」の傾向があるのは前述したとおりだが、モチベーション・情熱の自己評価が実績とは徹底的な差がないという事実はどう説明できるのだろうか。
同じ調査結果を分析してみると、モチベーション・情熱の有無は、役割意識の有無、実行力の自己評価、アイデアの質、量の違い、というそれぞれの項目とは密接に関連していることはわかっている。
つまり、これらの各項目のうちひとつだけ取り出しても、実勢と決定的な差が生まれているわけではなく、これらすべての項目が少しずつ関連し、関与し、やがては大きな差となっていると言える
役割意識の高さ(自分のやるべきことの領域が明確)がモチベーション・情熱を生み、そのモチベーションが、質量ともに高いレベルの戦略や企画、アイデアを生み、それを確実に実行していく。そして高い行動力・実行力が結果を生み出していく。
これらのコンピテンシーは、決してそれ単独で存在しても決定的な意味があるわけでもなく、プロセスとなってはじめて機能するものだと言えるのだろう。
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2009.10.27
2010.03.20