「ロジカルシンキングは誰でも身につけられる」と研修会社の営業担当や講師はいいますが、私は疑問です。 本稿では、ロジカルシンキングが苦手な方に有効な、ロジカルシンキング的思考法について考えていきます。
- (客数)売上=客単価×客数
- (客種)売上=A属性客売上+B属性客売上+C属性客売上…
- (人員①)売上=営業担当一人あたり売上×営業担当数
- (人員②)売上=A営業担当売上+B営業担当売上+C営業担当売上… ※
- (確率)売上=単価×リード数×商談率×見積率×成約率
- (シェア)売上=市場×シェア ※
- (商品)売上=新商品売上+既存商品売上
- (比率)売上=昨年度売上×成長率
※属性・市場の定義も重要
BtoB:新規/既存、業種・業界、売上規模、地域等
BtoC:新規/既存、性別、年齢、家族構成、所得、趣向、地域等
パターン化されている売上の構造を眺めつつ、売上をあげるために何ができるのか、実現可能性と売上への影響をもとに検討します。
可能ならばご自身の仮説をもとに、ロジカルシンキングができる人とのディスカッションをすることで、精度を高めていきましょう。そうすることで本質的なロジカルシンキングの習得は難しくとも、その感性は磨くことができると私は考えています。
上記は売上に関するものですが、例えば日々の報連相においても、「事実と私見を分ける」「5W1Hを明確にする」等の構造を意識するだけでも、コミュニケーションとしての精度はあがります。
勘違いしていただきたくないのは、「型」の習得はマニュアル化と近しいですが、めざすゴールが違います。
マニュアル化のゴールは、前提条件をクリアした人ならば誰でも、一定の成果を生み出すことにあります。
一方、「型」の習得のゴールは、多くの適切な型に触れることで感性を磨き、ロジカルシンキング的な思考ができるようになることです。
ロジカルシンキング的思考法のポイント
本稿のまとめです。
「ロジカルシンキングは誰にでも習得できます」というフレーズには個人的に疑問が残ります。
ロジカルシンキングが苦手な方は、ロジカルシンキング的思考法を用いることで、ご自身の担当業務という限定されたシーンならば、成果を生むことができると考えられます。
ロジカルシンキング的思考法には、以下の3つが有効です。
- ロジカルシンキングができる人に相談する
- 型を入手・更新し続ける
- 有効な型を覚える
全ての型を覚えることは難しいでしょうから、使えるように保管しておくのもよいでしょう。
その際、できれば活用方法や有効性も含めて記録しておくと、型の習得が早くなります。
ロジカルシンキングが苦手な場合、セルフチェックも難しいケースが多いので、ロジカルシンキングができる人に相談するのは非常に有効です。
長々とお付き合いいただきましたが、みなさんのスキルアップや人材育成業務のご参考になれば幸いです。
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2009.10.27
2010.03.20
株式会社エデュテイメントプラネット 代表取締役
社内教育担当者・教育事業者・学校法人を対象に、研修(授業)企画・教材開発サービスを行う。 特に、繰り返し実施する研修で、講師の品質に大きく左右されず、常に一定品質以上の教育効果を生むことをめざした研修の企画・開発を行っている。 開発した教材のテーマやメディアは多岐に渡り、ビジネスゲーム『ロボロボ』は韓国大手製鉄会社でも活用されている。