社会インフラを考える(10)新国立競技場計画の破綻と“ごまかし”

画像: JAPAN SPORT COUNCIL HP

2015.07.13

経営・マネジメント

社会インフラを考える(10)新国立競技場計画の破綻と“ごまかし”

日沖 博道
パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

東京五輪・パラリンピックのメイン競技場となる新国立競技場の建設計画。抑制されたはずの建設コスト見積もりにも、建設完了後の収支計画の説明にも、明らかなごまかしがある。

本当に責任を取るべきは、過去に何度もあった見直しの機会に、当初のデザイン案をあきらめて基本設計を見直すという決断を先送りしてきた文科省とJSTの幹部である。とりわけ、最後のチャンスでありながら今また、見直しをせずに他に責任をなすりつけようとしている最高幹部の下村文科相の責任こそが重大ではないか。

改めて感じるのは、これほど「ごまかし」を重ねてでも関係者が基本設計の見直しに踏み切らないのには、よほどの理由があるのだろうということだ。

関係者や事情通は「国際的信用」や「無責任の構造」、先に触れた森・元総理への遠慮、などを色々と挙げる。しかしそれにしてもここまで政治問題化しながらも文科省とJSCが強引に世論に抗するのは、今一つ腑に落ちない。もしかすると我々の知らない巨悪の構造が隠れているのかも知れない。ジャーナリストの活躍を待つ所以である。
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日沖 博道

パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長

パスファインダーズ社は少数精鋭の戦略コンサルティング会社です。「新規事業の開発・推進」「既存事業の改革」「業務改革」の3つを主テーマとした戦略コンサルティングを、ハンズオン・スタイルにて提供しております。https://www.pathfinders.co.jp/                  弊社は「フォーカス戦略」と「新規事業開発」の研究会『羅針盤倶楽部』の事務局も務めています。中小企業経営者の方々の参加を歓迎します。https://www.pathfinders.co.jp/rashimban/         代表・日沖の最新著は『ベテラン幹部を納得させろ!~次世代のエースになるための6ステップ~』。本質に立ち返って効果的・効率的に仕事を進めるための、でも少し肩の力を抜いて読める本です。宜しければアマゾンにて検索ください(下記には他の書籍も紹介しています)。 https://www.pathfinders.co.jp/books/

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