【シリーズ:個として強い職業人を考える】 組織力は高いが、「個」で局面を突破できる選手が少ない……日本のスポーツ界でよく言われる批評だが、いざ自分は職業人としてどうなのだろう。
【仕事人の意識】
・自分の職業・仕事に忠誠を尽くす
・組織(会社)とはヨコ(パートナー:協働者)の関係
・仕事が要求する能力を身につけ、仕事を通じて自分を表現する
・自分の能力・人脈で仕事を取ってくる
・自分の目的に向かって働く
・組織(会社)は舞台。自分が一番輝ける舞台を求める。舞台に感謝する
・世に出る、業界で一目置かれることを志向する
・自分が労働市場でどれほどの人材価値を持つかについてよく考え、
実際その評価によって得られる仕事のレベルが決まってくる
・自由だが、来年も仕事にありついているかどうかわからないというプレッシャー
・コスモポリタン(世界市民)的な世界観
・「一職懸命」
他方、Yタイプは「会社人」の自己紹介で次のような意識になりやすい。
【会社人の意識】
・雇用される組織(会社)に忠誠を尽くす
・会社とはタテ(主従)の関係
・会社が要求する能力を身につけ、会社が要求する成果を出す
・会社の信頼で仕事ができる
・会社の目的の下で働く
・会社は船。沈没したら困る。下船させられても困る
・会社内での居場所・存在意義を見つけることに敏感
・みずからの人材価値についてあまり考えないし、
何か大きな問題を起こさないかぎり雇われ続ける
・自由が制限されるストレス
・会社ローカル的な世界観
・「一社懸命」
会社員という生き方を選ぶことが悪いとかそういうことではありません。問題は、どっぷりと会社人意識に浸かってしまって、雇われ根性・他律性が染みついていないかという点です。会社員であっても、ある割合、野性的な「仕事人」意識を自分の中に保っている人は、個として戦える力を持っている人です。
◆しびれるほどのリスクを背負って何か仕掛けたことがあるか
私自身、サッカー少年だったのでよくわかりますが、ボールを持って敵陣のペナルティーエリア内に侵入するときほど怖いものはありません。一気にディフェンスプレーヤーたちが自分をつぶそうと当たってきます。チャンスがありながらも勇気がなく、シュートを打てずじまいになることはよくありました。シュートを打つのは怖いものなんです。
さて、あなたは担当の仕事で、これまでにしびれるほどのリスクを背負って、単独で何かを仕掛けたことはありますか? または、大勢から猛反対を受けながら、何かを主張し、行動に移したことはありますか(結果はどうあれ)? サッカーで言えば、ともかく不格好でもいいからシュートで終わったかということです。
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【個として強い職業人を考える】
2015.07.13
2015.07.21
2015.08.03
2015.08.17
キャリア・ポートレート コンサルティング 代表
人財教育コンサルタント・概念工作家。 『プロフェッショナルシップ研修』(一個のプロとしての意識基盤をつくる教育プログラム)はじめ「コンセプチュアル思考研修」、管理職研修、キャリア開発研修などのジャンルで企業内研修を行なう。「働くこと・仕事」の本質をつかむ哲学的なアプローチを志向している。