ロジカルシンキングスキル全般を「直感でわかる」ようにお伝えしていきます。今回は仮説思考を解説します。
たとえばね、人はいる場所によって、見ている風景は違うのはわかりますよね。富士山は見る角度などによっていろいろな違いを見せてくれます。いる場所が違うだけで経験が違うのです。
では、私がよく学生に聞く質問です。なぜ人は絶対に全く同じ経験をできないのか?
これは一瞬たりとも全く同じ経験ができないことを意味します。時系列で生まれた時から経験が違うとか、そういうことではない答えを求めています。
「双子なら同じ経験をしているかもしれない」と言った学生がいました。
なるほど、確かに似た経験はしているでしょう。
でもね、全く同じ経験ができない。それはなぜか?
引っ張り過ぎですね。ごめんなさい。答えは「肉体があるから」です。
体をどんなに近づけても、体がある以上、同じ空間を占めることはできません。ギューっとくっついたとしても。どんなに近づいても完全に同じ場所にいることはできない。すると、見えている世界、感じている世界は違う。つまり体験が違うのです。
だから、人によって抱く期待は絶対に違うわけです。
そうするとね、ビジネスで必要な仮説を立てるために、越えなければならないことがあることに気づきますね。
なんだと思いますか?
ヒントとしては人によって抱く期待は違う、です。
そうです。もうわかりましたね。
自分は経営者ではないので、会社自身でもないので、会社と一心同体ではなく、会社が抱く期待が何か?というのがわからないことがありえるということです。
これに対して言語的にビジョン、方向性の共有をするという解決策もありえます。ブランドに関してやってはいけないことの明確化、クレドの持ち運びなど、一般企業でやっていることを挙げたらきりがないでしょう。
でもね、もしも会社に入ってくる人があまり言語からリアリティを感じることが得意ではなかったとしたらどうなるでしょう。文字を覚えることが大事だとしか思っていない人に伝えようとする期待が伝わるでしょうか。
自分は空気を読むのが下手だと思っている人にしてみても、他人の期待を感じ取ることが苦手だったらどうすればいいのでしょうか?
大丈夫です。ここにも解決策はあります。
大きく2つのことをやればいいのです。
1つは自分の抱く期待に敏感になることです。
自分の「たられば」を見て行けば自分が期待することがどんなことで、その原因がなんであるかがわかることを見てきました。だから、それでまず自分の期待が何なのか?どんなものがあるのか?を調べてみることです。それを挙げられるだけ挙げてみる。10個挙げられれば素晴らしいですし、3個挙げられれば初めてにしては上出来でしょう。
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2015.06.18
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。