ロジカルシンキングスキル全般を「直感でわかる」ようにお伝えしていきます。今回は仮説思考を解説します。
仮説思考に関する本は山ほど出ています。それらの本で一番易しいレベルのものには、「仮説は当てずっぽうでいいから仮の結論を考えればいいんだ」といったことが書いてあります。また「結論から考えることが大事だ」という主張を強くしている本もあります。多少難しい本には、論理性を重視して、「なんでも当てずっぽうに結論を出せばいいわけではない。論理的なつながりがなくてはならない」といったことが書いてあることもあります。
ただ、これを読んだだけで、「じゃあ、仮説出して!」と言われても固まってしまうでしょう。どうやって仮説を出せばいいかはあまり説明してくれていません。
いわゆる仮説解説本の中でのおそらく一番のベストセラー「仮説思考」にはコンサルタントは「ディスカッションを通じて思いつく、インタビューの時に思いつく、突然ひらめく、じっくり考えている時に思いつく」と書いてあります。
その上で丁寧に「分析結果から仮説を立てる方法」「インタビューから仮説を立てる方法」「ヒラメキ」について解説してはいます。ただ、目の前にある事実とそこから出しうる仮説について書いてあるだけなので、どう出るか?は「人それぞれ」で済ませてしまって全くと言っていいほど書いていないわけですが。
こういった解説の仕方だと、仮説というのはよくわからないけれど「思いつく」ものであって、仮説を思いつける特別な能力がある人でなければできないのではないか?と不安になることでしょう。
また、「思いつきじゃダメなんだ!」とおっしゃる方も多数いらっしゃって、状況は更に混乱します。「思いつく」と書いてあるものもあるのに、「単なる思いつきではダメだ」というものもある。どうすればいいんだろう?と。
特に「答えのパターンをとにかく覚えればいい、それが勉強だ。」という教育を受けた人はこれではとても困るでしょう。
とあるツワモノの学生は、何も考えずに「知っていること、聞いたことがあること」をそのまま問いの答えにもってきたりして、それでいいと思っていることがありました。
彼は就職の面接で、「働く上で大事なことは何ですか?」というテーマのグループディスカッションがあった時、バイト先の行動原則「徹する、察する、交わる」をそのまま話して、それが働く上で大事なのだと主張したそうです。結果的に落とされたのですが、「何が悪かったんだろう?」と言っていて、先生としては唖然とするわけです。が、なぜ唖然とされるかわからないようで彼はキョトンとするので、先生は更に唖然とします。
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2015.06.18
2015.06.19
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。