ロジカルシンキングスキル全般を「直感でわかる」ようにお伝えしていきます。今回は仮説思考を解説します。
当たり前のことを言えば、グループディスカッションでは、みんなで答えを出していくプロセスでどう協力して一緒に考え、結論を出していくか?が問われているわけです。バイト先の行動原則を自分が思いついたように提示して、そのままそれがいいんだと主張することは、ほぼ「考える行為」を放棄していますよね。そのスタンスはグループディスカッション中の言動の端々からにじみ出てしまうことでしょう。
「でも、仮説を考えるなんてできないよ、当てずっぽうの答えを出すことなんてできないよ」というのが私の授業に出ている学生の普通の反応です。おそらく、最近では一般的にもそういう人が多いことでしょう。
でも大丈夫です。できます。
仮説を考えることは絶対に誰にでもできます。
なぜそんなに自信を持って言えるのでしょうか?
私の授業を受けている人は、少し直感的にわかる説明をするだけで仮説が一応は作れるようになったからですね。
私が学生にいつも言うのは2つです。「後悔したことがあれば、仮説は立てられるよ」ということと、「何かを期待したことがあれば仮説は立てられるよ」ということです。ここからうまくきっかけをつかめる人が多いので、この2つを使って仮説を立てるというやり方のイメージを捉えてもらいます。
まず、1つ目から行きます。
後悔したことはありますか?
10人に聞くと、たいていは10人とも「後悔したことはある」と答えます。中には顔をしかめて、後悔した出来事を思い出してしまう人もいます。
「あの時ワインの飲みすぎで、酔っぱらって失敗していなければ!」と私も思ったりします。
この「あの時こうしていなければ」は、どういうことなのでしょうか?少し詳しく見てみましょう。
あの時、ワインの飲み過ぎで酔っぱらって、ひどいことをしてしまった。それをしていなければ・・・、というのは、「あの時変なことをしていなければ」なのでしょう。あるいは、「あの時美味しいワインを飲み過ぎていなければ」です。
ただ、「していなければ」というのは、「何かをした結果、どうなった」ということが、自分にとって悪いことだったということですよね?
すると、あの行為をしなければ、結果が自分にとって悪いものにならなくて済んだ、ということです。「自分が何かすることで状況が悪くなった」と言っているのですね。
もしくは、暗に「もう少しこうしていれば」ということを言っています。歌謡曲の歌詞では「もう少し優しくしてあげられていたら・・・」でしょうか。
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2015.06.18
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THOUGHT&INSIGHT株式会社 代表取締役
THOUGHT&INSIGHT株式会社、代表取締役。認定エグゼクティブコーチ。東京大学文学部卒。コンサルティング会社、専門商社、大学教員などを経て現職。