経済産業省が進めている 「情報大航海プロジェクト」 のことはご存知ですか?
購買情報は、オンラインショッピングであればもちろん
簡単に収集できますし、リアル店での購買情報を収集して
データベースに結びつけることも技術的には可能です。
お天気の情報などのさまざまな関連情報も、
ITを活用すれば自動収集・蓄積ができますよね。
では、こうして一元化された情報は
どのように利用されるのでしょうか?
例えば、ユーザー1人ひとりのレストランの嗜好を分析した
「レストランパスポート」
を作成します。
そして、ユーザーがレストラン紹介サイトにアクセスした際、
この「レストランパスポート」を示すと、その情報を元に
ユーザーの嗜好に合致するレストランが推奨されます。
あるいは、ユーザーのキャリアの志向性を分析した
「キャリアパスポート」
を作成します。
ユーザーが転職情報サイトでこの「キャリアパスポート」を
示すと、その人にとって最適な転職先が紹介されます。
このように、「プロファイルパスポート」の活用によって、
企業は、ユーザーの求める情報、商品、サービスを高い精度で
予測し提案することができるため、ユーザーにとっても、
企業にとってもありがたいシステムと言えるわけです。
さて、この事業で技術的には最も難しいけれど、
最も面白い部分は、ブログなどから収集される「生の声」、
つまり「テキスト情報」の分析でしょう。
消費者のブログからは、
「どこそこに行った」「何を見た」
といった行動や、
「楽しかった」「むかついた」
といった評価、感想、
「こんな生活が理想です」「こんな場所に行きたい」
といった価値観、ニーズ
等が豊富に含まれています。
つまり、顧客の心理を深く洞察することが
可能になる情報の宝庫と言えるわけです。
ただ、こうした分析を行う前に、
まず、スパムブログやアフィリエイトブログ、
やらせブログの情報を排除しなければなりません・・・
ニフティ研究所でも、
「ブログ」を対象としたテキストマイニング、
すなわち「ブログマイニング」に取り組んでいますが、
所長の友澤大輔氏によれば、世の中のブログ全体の半数以上が、
スパムブログを始めとする、分析には使えないブログである
ということが同所の分析からわかっているとのことでした。
なお、ブログウォッチャーでは、
ブログの文章表現から書き手の性別を推測することも
始めています。
例えば、男性は「かわいい」という言葉をあまり使わないと
いった表現上の傾向を元に、書き手が男性なのか女性なのかを
判別するのです。
同社の羽野仁彦氏によれば、
性別の予測精度は90%以上とのことですから、
なかなかですね!
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2008.05.20
2009.08.13
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。