10年前と今でやっていることが変わらない間接材購買について述べます。
企業によってはその度に外部のコンサルティング会社に多くの費用を払っています。
この費用こそ真先に削減すべき支出と言えるでしょう。
何故こんなことになってしまっているのでしょうか。
様々な問題があるとは思いますが、ここではまずは、人材の問題を取上げます。
間接材購買は多岐な品目があり、支出の把握がし難い費用であると述べました。そうすると当然のことながら品目の専門家、調達・購買の専門家などがどの企業でも不足しています。一方で品目毎にコスト削減のコツやノウハウはありますので、人材の数および質が慢性的に不足している状況はどこの企業でも共通することです。
それに対して多くの企業ではマネジメントの一言で2-3名の人員をかき集めプロジェクトをスタートします。このチームのメンバーとして集められた人材は自分達の与えられた環境下で精一杯やっているのですから、この人たちを責めるつもりはありませんが、彼らの仕事の環境を見ると、モチベーションがあがる訳がありません。今まで一線の営業部隊や企画職の人間をいきなり連れてきてチームを作っても、まるで閑職に追いやられたような状況になるのは当り前のことです。
チームメンバーは長くて2-3年でだいたいは異動します。そしてチーム全体が短くて2-3年位で全員入れ替わります。要するに常に新しいチームになっているのと同じような状況です。
また専門家が不足しているので、外部人材を活用する企業もよく見られます。弊社も過去にそのようなプロジェクトを支援していたことがあるので大きな声では言えませんが、最近は「コスト削減請負います」的な企業が正に雨後の筍のように多く存在しています。
こういう企業を使うことが悪いとは言いませんが、どうなんでしょう、短期的にはいいですが、中長期的には問題ありませんでしょうか。社外を活用しコスト削減のノウハウを社内の人材に移転していく、ことが目的であればいいでしょう。
このような「コスト削減請負会社」は成果報酬制(コスト削減成果に対する報酬)の企業が多いので、中長期的にどうしても報酬を得るためには無理なコスト削減活動が出始めるのです。考えてみたら当たり前のことでしょう。そうして外部を活用した結果、3年後、5年後には何も残っていませんでした。マネジメントから今年はきついから間接材コスト削減しなさい、とまた何年に一度かの恒例行事のように指示されて、新しいチームができる。またノウハウもないので、また外部を使いましょう。。この繰り返しをしている企業があまりにも多くないでしょうか。
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2009.02.10
2015.01.26
調達購買コンサルタント
調達購買改革コンサルタント。 自身も自動車会社、外資系金融機関の調達・購買を経験し、複数のコンサルティング会社を経由しており、購買実務経験のあるプロフェッショナルです。