経済産業省が進めている 「情報大航海プロジェクト」 のことはご存知ですか?
このプロジェクトの目的は、
大量の情報の中からユーザーが求める情報やサービスを
的確に検出する共通技術を開発し、新たな情報サービスを
創出すること
です。
情報大航海プロジェクトには、
V、S、P
の3つの柱があります。具体的には次の通りです。
------------------------
・V(バリュー):
新しい価値を生む次世代のインターネットサービス
・S(ソーシャル):
新たな社会インフラとしてのITサービス
・P(パーソナル)
プライバシーに配慮した未来型パーソナルサービス
-----------------------
さて、この3つの柱のうち、
「P」に該当する興味深い実証実験が始まっています。
それは、
「プロファイルパスポート」
と呼ばれる事業です。
リクルートと東京工業大学が共同で設立した
(株)ブログウォッチャー
http://www.blogwatcher.co.jp/
が実施主体となっています。
「プロファイルパスポート」とは、
端的にいえば、消費者情報を一元的に集約したデータベース。
これまでも、リサーチ、マーケティング業界では、
消費者の意識(心理)や行動をより深く理解するために役立つ、
「一元的消費者情報データベース」
の構築が何度か試みられてきましたが、
コスト面、技術面でのハードルが高く実現には
至っていませんでした。
つまり、ほとんど「夢物語」に止まっていたんですよね。
しかし、IT技術の普及のおかげでとうとう、
「一元的消費者情報データベース」
が、夢物語とは言えなくなる時代になってきました。
さて、プロファイルパスポート事業によって集約される情報は、
多岐にわたっています。
・利用者の基本属性
・利用者が書いた日記(生の声)
・視聴した動画やテレビ
・行った場所、お店
・購入した商品やサービス
・その他の関連情報(天候など)
つまり、消費者の生の声に加えて、
メディア接触・視聴履歴、行動履歴、購買履歴等が
ユーザー個別に収集、蓄積されるというわけです。
これらの情報の収集には、
インターネットや携帯電話が活用されます。
これによって、コスト面や技術面でのハードルが
一気に下がったというわけです。
利用者の日記(生の声)はネット上のブログなどから採取。
視聴した動画やテレビも、ネットを通じて捕捉が容易です。
(テレビは、ネットとの連携がまだ十分ではないですが)
ユーザーの行動情報については、
GPS付の携帯電話が普及していけば簡単に
把握できるようになりますね。
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2008.05.20
2009.08.13
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。