~ 無名のおっさん達から学んだ人生~ 第1回 : 礼節の人 大石伸晴氏
ご紹介したエピソードはどれも直接仕事に関わりのないことだ。 たかだか入社2年目の部下の披露宴のスピーチに労力を費やしたところで、 出世するわけでも、お金が儲かるわけでもない。 それでも、多大な労力を費やしてくれたのは、彼が損得とは関係なく持っている基本的なマインドによるのではないか。 それは私は以下のようなものだと理解しており、仕事はもちろん、人間として本来培っておかなくてはならないものだと思う。
- [責任感] どんなに小さなことでも引き受けたからには責任を全うする
- [他愛] 自分の損得よりも相手を喜ばせたいという気持ちが勝る
- [美学] 恰好悪いところはみせたくない。 何事も他人よりも上手くやりたいとい う欲求
優れたビジネスマンというのはスキル以前にこうした基本的なマインドを当然のように高いレベルで持っている。 大石さんはそれを新人の私にもわかる形で手本を示し、しかも労を惜しまずにそれを指導をしてくれた。 ビジネスマンである前に人として基本的な素養を身に着けること、 これが社会人としての第一歩であると。
新入社員であれば、多かれ少なかれビジネスマナー研修的なものがあるであろう。覚えておいてほしい。ビジネスマナーとは決して名刺の渡し方や電話の出方といったスキルではなく、責任感と他愛と美学を重んじるマインドの上にあるものだと。
ちなみに大石さんは私が新人当時の部長だったので、当時ですでに50歳を過ぎていたが、いまだにフランスのサプライヤーの日本支部で第一線で活躍されているそうだ。 立派な土台があれば、会社に依存せずにどこでも活躍できるということだ。
30歳を過ぎれば、誰も基本的なことを指導してくれなくなる。
日々の業務をこなすのに必死で、基礎的なものを忘れないようにしたいものだ。
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