~ 無名のおっさん達から学んだ人生~ 第3回:結果で語る人 橋詰徹
みなさん、こんにちは。 シリーズ第3回目です。
突然ですが、皆さんは「頭がいい人は誰?」と聞かれた時にどういう人をイメージするでしょうか?
テレビで難しい話をしている学者さん?
即興で面白いコメントで笑いをとる芸人さん?
やたら計算が早い人、周りの気遣いが出来る人?
「頭が良い」という形容はよく使われることが多いですが、その定義は人によってバラつきがあります。 私にとっては「頭の良い人」と聞かれて真っ先にイメージするのは今回紹介する元上司、橋詰徹氏です。
先の2回で紹介した、大石さん、広原さんに教えられたのは仕事に取り組む姿勢の部分が大きかったが、橋詰さんにはズバリ思考術を徹底的に鍛えられた。 コンサルタントだけでなく、いまや仕事人にとって当たり前となっている論理思考や問題解決能力を私は本や研修ではなく、彼を倣うことで自然に身についたと思っている。 彼の特徴の一部を箇条書きすると、
- 余計なことは一切言わない
- 感情的に怒鳴ることはない
- かといって笑顔で優しく語ることもない
- 淡々と真実だけを言う
- 本質をズバリと直球で突く
- 結果だけを見る
これだけ書いてみてもお分かりだろうが、 部下としてはたまったもんではない。 ちょっとでも手を抜いていたり、論理的な綻びがあると、 「戸井君、これどういうコトだっけ~?」と確実にそこを突いてくる。 誤魔化しがきかないので、めちゃくちゃ緊張する。
簡単な打ち合わせの議事録ひとつ提出するのにも緊張する。 多少の手直しくらいは入るかなと思って提出すると・・・
橋詰 「戸井君、まずこれの目的は何?オレへの報告か? お前のメモか? 客に出す議事録か? 」
戸井 「・・・(心の中で、『そこからかい!!』と叫ぶ)」
一事が万事その調子なので、一つ一つの仕事、いや、どんな小さな作業においても、何のために必要なのか、そのアウトプットを享受するのは誰なのかを常に強く意識して仕事をすることを新人時代に叩き込まれた。
強い目的意識は本質を突く能力には不可欠だ。
社会人の基本だが、コンサルティングの仕事をしていると、 その基本が日々の業務の中で忘れられていることも意外に多いことに気づく。 個人が担当している業務のそもそもの目的は何か、それら個人の作業の合計値が、さらに上の目的を達成するのに寄与しているか、といったことを考えなくてはならない。
そして私が最も彼を尊敬するのは常に頭が整理されている点だ。 当時巨大な発電プロジェクトの契約整備段階にあったのだが、 彼の机の周りには膨大なリーガル ドキュメントが山積みされていた。
英文で読むだけでも何年もかかるような量だが、彼はなんとそれをメモも取らずに、頭の中に入っていたようだ。
「あ、それ○○にこう書いてあったぞ」と該当部分が頭の引き出しから出てくる。
まさか丸暗記しているわけではあるまい。 まさに物事を構造化する論理思考がそこに凝縮されていると私は思う。
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