マーケティング&営業戦略の基本は、「誰に」、「何を」、「どうやって」売るか、を決定することです。この基本的な考えに基づいて、法人営業を主としたビジネス展開する企業の売上拡大策を整理します。
このように、法人営業の売上拡大策を検討する際には、営業活動の量を増やすということが重要であり、営業活動の量を増やすということは、コミュニケーションする相手企業の量を増やすという観点と、一企業に対するコミュニケーション量を増やすという二つの観点があります。
■「どうやって」その② 営業活動の質の向上
次の施策として、営業活動の質の向上が上げられます。営業活動の量、すなわち二つのコミュニケーション量を増やしたとしても、単なる御用聞きのためのコミュニケーションではなかなかいい商談は生まれてきません。顧客のニーズを早く聞き出し、最適な提案活動をしないといい商談も生まれてこないし、受注にも至りません。営業活動の量を増やすと共に下手な鉄砲を数多くうつのではなく、上手な鉄砲をうたないと劇的な売上拡大は期待できないということです。いわゆるソリューション(課題解決)型営業です。
ソリューション型営業を実施するには、プロダクトアウト的に商品の価値を訴えるばかりの営業スタイルではなく、顧客が属している業界や顧客が担当している業務領域を理解して顧客の立場になった課題を見つけ出し、その課題を解決するために自社の商品を活用した提案を実施しなければいけません。
したがって、ソリューション営業の実現には営業マンの教育によるスキル向上が必要となってきます。
つまり、営業力強化策の中でも、営業活動の量を増やすより、質を向上させる方が時間がかかったり多くの知恵が必要と言われています。
■ 営業の質向上を追う場合の落とし穴
現在書店に数多く出回っている営業力強化を解説する書籍は、営業マン個人のスキル向上のための解説書が多く存在します。また、ソリューション型の営業モデルの導入やそのための施策やツールを解説した書籍も多くあり、営業活動の質を向上させるための知恵が多く存在しています。
しかしながら、企業レベルでの営業生産性向上という視野にたつと、これらの知恵の実践には大きな落とし穴があります。
営業活動の質を追求するあまり、営業モデルが縮小均衡型になってしまい、企業全体の売上が飛躍的には伸びなくなります。つまり、限られた重要顧客や商品価値の高い大型商談に対する営業テクニック(しかも営業マン個人の)の向上に目がいきがちで、限定された範囲や試行期間での営業生産性は向上できるが、全社への展開を考えた場合、営業要員の不足がボトルネックとなり、結局、スキルをもった営業マンをいかに採用して育てるかが重要な成功要因となってくるのです。そのため全社展開を考慮した場合、
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