営業生産性を飛躍的に向上させるための新しい営業フォーメーションの設計の仕方を解説します。
■ 営業生産性向上につながる2つの施策
営業生産性向上に繋がる施策はズバリ、「営業プロセスの分業化」と「センター型セールスの活用」です。
(1)営業プロセスの分業化
従来の法人営業では、一人の営業マンがセールスプランの立案から商談の発掘、醸成、提案、契約まで全ての営業プロセスを実施しています。かつそれが営業マンの醍醐味でもありました。本モデルでは、いかに優秀な営業マンを育てて、継続雇用をしていくかが営業力強化の成功要因でした。つまり優秀な営業マンが何人存在するかということです。
しかし、雇用の流動性にともない、終身雇用制も崩壊している昨今では、優秀な営業マンを育てるまでに転職したり、スキルの着いた営業マンは他社に引き抜かれたり、といった状況になってきています。そのために高いインセンティブを用意した報償制度、即戦力になる営業マンの採用力が勝敗の分かれ目になったりしています。また、顧客のニーズが細分化され、取扱商品も多くなるにつれ、一人の営業マンが自社の全ての商品知識をもって商談を進めることが非常に厳しくなってきました。
そうはいっても、どこの企業にもスーパー営業マンは存在します。多くの企業はそういう数少ないスーパー営業マンに頼っているというのが実態でないでしょうか。
こうした従来モデルと違い、新しいフォーメーションモデルでは、セールスプロセスを分業化して分業化された範囲でのスペシャリストを育成します。
分業化することにより、スペシャリストの育成も容易になります。分業単位でのスキル育成になるため、全てのプロセスの教育より早期にスキル向上が可能となります。また、要員の特性に合わせた分業単位での配置も可能となります。
従来型のスーパー営業マンは、お客様とじっくりと仲良くなって商談を発掘するのも得意であり、場合によっては飛び込みセールスを何日も続けてもめげない体力と精神力も兼ね備えています。また、どんな商品の商談が生まれようが、最適な提案書を作成できます。お客さまからの技術的な質問にも迷わず回答ができます。あるいは商品の提案になった際には、得意の社内人脈を使い適切な人材を同行させるコーディネート能力や社内政治力も兼ね備えています。
しかしながら、スーパー営業マンは現実にはそんなにいないのです。普通は同じ営業マンでも、顧客と仲良くなるのは上手だが、提案書を書いて説明するのは苦手な人情で商談をとってくるタイプの営業がいたり、逆に何もない新規の顧客に人間関係を構築するのは苦手だが、課題が明確になっている顧客に最適な提案書を書くのは得意な営業マンもいたりします。
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