東京・銀座の高級注文服店の熟練職人が作る 「オーダーメイドジーンズ」 はご存知ですか? お値段のほうは、最低でも1本約4万円しますが・・・ ああ、私も自分だけのジーンズ1本だけでいいから欲しい! とは思うものの、さすがに気軽に手が出る値段ではないですね。
また、同じ生地を使いながらも、
ハンドメイドだけでなく、一部機械縫製も導入。
2プライス制を導入することで値段を引き下げ、
顧客層の拡大を図りました。
3.ブランドの拡張
職人の技を生かしたオーダーメードジーンズがこの戦略が
具現化されたもののひとつです。このジーンズのおかげで、
新規顧客が3割ほど増えたそうです。
また、メンズ美容室を事業化することにより、
男性のおしゃれを総合的にサポートすることを始めています。
さらに、テーラー業界の活性化や職人の技術伝承を目的として
次世代の裁断士を養成する学校「日本テーラー技術学院」を
設立しています。
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さて、以上のような事業戦略の転換を支えたのが、
きめ細かな対顧客コミュニケーションと積極的な広報戦略です。
顧客コミュニケーションについては、
顧客一人ひとりに丁寧なお礼の手紙を送ることに加えて、
購入したスーツに合うワイシャツやネクタイを組み合わせた
そのお客さまだけの提案書を作成したり、
お客様から借りた顔写真と、お似合いのファッションを
PC上で合成してお見せする
「ヴァーチャルコーディネイト提案」
を行っています。
他のテーラーでは、ここまでの手間をかけることは
あまりやっていないそうです。
また、富裕層向けの情報誌
「銀座テーラージャーナル」
を毎月発行。
同誌は、既存顧客(政財界の有名人が多い)に登場して
もらっているため、銀座テーラーのイメージアップにも
寄与しているそうです。
一方、広報については、最低でも月1回はなんらかのニュース
リリースを出すことを目標にしており、その結果、05年は81回、
06年は115回も、各種メディアに記事が掲載されています。
ホームページも、5、6年前はほとんどアクセスがない状況
でしたが、こうした努力の結果でしょう、現在は月間25-30万
ページビューに達しています。
皆川氏によれば、こうした一連の改革は、
外部コンサル等の支援を借りることなく、すべて
同社社長、鰐渕美恵子氏と皆川氏によって行った
のだそうです。
なかなかすごいと思います。
さて、このところ大手欧米ブランドの巨艦店舗が、
銀座に次々とオープンしています。
銀座テーラーとしては、
「オンリーワンブランド」としての地位を固めるために、
気を抜く暇がないでしょうね。
*以上の内容は、皆川和久氏の講演
(IMプレスビジネスセミナー)を元に書きました。
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2009.02.10
2015.01.26
有限会社シャープマインド マーケティング・プロデューサー
これからは、顧客心理の的確な分析・解釈がビジネス成功の鍵を握る。 こう考えて、心理学とマーケティングの融合を目指す「マインドリーディング」を提唱しています。