全日本柔道連盟の不祥事の真因は内向きで同質の組織体質である。それは多くの日本企業の課題でもある。
同質体質からの脱皮は、グローバル人材獲得競争に勝つためにも必須だ。
同質体質の企業では文化背景の異なる現地の人たちを幹部に昇進させるルートが細くなりがちだ。既に進出した企業の先例のせいで、「日本企業では優秀な人間でも日本人男性でない限り昇進が難しい」という悪評が定着してしまっているケースも多い。
創薬ベンチャー・アキュセラのCEOである窪田良氏が米国で起業した理由を問われて、日本より米国のほうが研究者の多様性に富んでいたから、と答えていた。そして「日本が真にイノベーティブな社会を目指すのであれば、人材の多様性を進め、異質なモノを許容する社会を作ることです」と強調していたのが印象に残る。
小生は日本人がイノベーティブでないとは全く思わない。しかし組織となると、多くの日本企業がその同質性ゆえにイノベーティブになりにくいことは認めざるを得ない。
「チームワークのよさ」という強みを失わずに、異質な「個」を今後いかに育てて強めていくのか。まるでサッカーの日本代表チームみたいな話だが、柔道連の問題も多くの日本企業にとっては他山の石とすべきなのである。
経営・事業戦略
2015.07.13
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パスファインダーズ株式会社 代表取締役 社長
「世界的戦略ファームのノウハウ」×「事業会社での事業開発実務」×「身銭での投資・起業経験」。 足掛け38年にわたりプライム上場企業を中心に300近いプロジェクトを主導。 ✅パスファインダーズ社は大企業・中堅企業向けの事業開発・事業戦略策定にフォーカスした戦略コンサルティング会社。AIとデータサイエンス技術によるDX化を支援する「ADXサービス」を展開中。https://www.pathfinders.co.jp/ ✅中小企業向けの経営戦略研究会『羅針盤倶楽部』の運営事務局も務めています。https://www.facebook.com/rashimbanclub/
